3/8フィレンツェ旅行記9 ウッフィツィ美術館を逆走せよ!

3月8日、女性の日・公立の美術館無料デーの続きっ!無料デーですからね!テンション高く続けましょー!

お昼ごはんは、中央市場の、超有名店「ネルボーネ」のパニーノを食べた。ものすごくデカイ、通称(と言っても我々が読んでるだけ)爆弾パニーノ!

「ランプレドット」という、モツ煮込みのパニーノが有名なのだが、興味で、もう一つの「ボッリート(Bollito)」という、肉の塊みたいな具のパニーノも買ってみた。ボッリートもおいしいはおいしいのだが、やはりランプレドットが美味すぎて、ランプレドットには及びませんな。やっぱり、ネルボーネでは、ランプレドットのパニーノがおすすめである。

さてっ。

女性無料デーとはいえ、公立の美術館だけが対象なので、うっかり午前中は、サン・ロレンツォ教会でお金を取られてしまった(いえ、サン・ロレンツォ教会がお金を取るのは、当たり前で何も責められることではありませんよ)。というわけで、午後からは、きちんと無料になる美術館を狙って訪問することにした。

朝一番に無料で訪問した、アカデミア美術館のチケットを見てみると、フィレンツェ市が管理している美術館の作品が、ものすごく一部分だけプリントされている。

そこから察するに、ウッフィツィ美術館のボッティチェリのビーナスの目とか、サン・マルコ美術館の受胎告知のガブリエルの顔とかがあるので、おそらく、ウッフィツィ美術館、サン・マルコ美術館が無料なのは堅い。また、バルジェッロ国立博物館は、「国立」って言うくらいだから、無料の可能性はだいぶ高い。

てなわけで、私と姉は、まだ一度も訪問したことのない、バルジェッロ国立博物館へ行くことにした。母は、午前中に歩き回りすぎたので、宿泊しているレジデンスから近いサン・マルコ美術館に一人で入った後、レジデンスに戻って休憩することになった。

母は、サン・マルコ美術館の、フラ・アンジェリコの絵がだいぶお気に召したらしく、3日前に入ったばかりなのに、もう一度見たいらしい(まあ無料ならどんと来いだね!)。フラ・アンジェリコの作品は、絵本の挿絵のようなやさしいタッチで、ルネサンス期の画家の画風としてはかなり独特で、好きな人は本当に好きである。

母をサン・マルコ美術館に押し込んだ後、姉と私は、バルジェッロ国立博物館へと南下した。実はバルジェッロ国立博物館は、有名な博物館でありながら、午後の1時50分には閉館になるし、日曜日と月曜日が交互に閉館するというややこしさもあり、今まで何度か足を運んだのだが、いつも閉まっていたのだ。

ちなみに、姉と私の、フィレンツェ三大入れないよスポットは、ラウレンツィアーナ図書館、バルジェッロ国立博物館、サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院、の3か所である。この3つの観光地とは、非常に相性が悪く、いつ行っても、タイミング悪く閉まっているのだ。

その中の、ラウレンツィアーナ図書館は、今日の午前中に、悲願達成で入場を果たした。この勢いのまま、バルジェッロ国立博物館も攻略したいところである(攻略って日本語、あんまりこの場面で正しくないね…)。

バルジェッロ国立博物館は、もともとお役所だったそうで、かなりいかつい建物である。行ってみると、おっ!扉が開いているよ!中からおっちゃんが、「Don’t worry, Don’t worry」と英語で言いながら、手招きしている。…何で博物館でDon’t worry?むしろworryしなきゃって気分になっちゃうのだが…。

中に入ると、セキュリティチェック。この時も、おっちゃんは「Don’t worry, Don’t worry」ばっかり言ってた。…コレが唯一知ってる英語なのかね?

さて、まずは博物館の中庭に出た。

バルジェッロ博物館

こちらがなかなか雰囲気のある、バルジェッロ国立博物館の中庭。部屋を移動する時は、この中庭を使って移動するらしい。2階にも、中庭の階段から上がれた。

バルジェッロ国立博物館といえば、彫刻展示の多い博物館である。彫刻と言えばミケランジェロ。ミケランジェロと言えば筋肉。というわけで、筋肉見る覚悟でやって来たのだが、バルジェッロ国立博物館所蔵のミケランジェロ作品は、あまり筋肉筋肉していなくて、しなやかな体つきの作品が多かった。1階の部屋に4作品あるのだが、特に「バッカス」と「アポロ」は、美しい作品だった。

バッカスはギリシア神話のお酒の神様なので、ミケランジェロが作るとなると、酔っぱらいの筋肉オヤジみたいなムサイやつなんだろうと予想していたのだが、何の何の、お酒をつくる材料であるブドウを髪飾りにした、スラッとした美形男性であった。このバッカスの足元にまとわりつくサテュロス(お笑い系の妖精みたいなやつ)もかわいらしい。

へー。ミケランジェロもこういう作品作るんだ!よく考えれば、ローマのサン・ピエトロ大聖堂のミケランジェロ作の「ピエタ」は、すらっとした美しい作品だったねえ。どうしてもダヴィデ像の印象が強く、筋肉っ!と思ってしまうよ。

彫刻のことはよくわからない私だが、ミケランジェロの作品は、周りの他の人が作った作品と比べると、やっぱり一味違う。何だか存在感があるのだ。そもそもプロポーションがカンペキ、てのもあるかもしれないが、一番大きいのは、人物の表情ではないかと思う。

絵と違い、彩色のない彫刻は、どうしても人物の表情が暗く感じられてしまうが、ミケランジェロ作品は、大げさな表情をしているわけではないのだが、感情がこちらに伝わってくる感じがする。ミケランジェロは、「石の中に閉じ込められている作品を取り出してあげないと」みたいな感覚で彫刻をしていたそうだが(セリフはうろ覚えです)、まさに、石の中に閉じ込められていた感情が、解放されているように思える。

ミケランジェロ作品のある部屋で、他の人の作品で一番印象的だったのは、ジャンボローニャ作の「マーキュリー」。マーキュリーは、ギリシャ神話では、身軽で素早く、頭の回転も速い、ゼウスの男性秘書みたいなヘルメスのことである。

ちなみにヘルメスみたいな、権力者の横にいる器用なタイプの男性って、私はあんまりタイプでないのだけれども、美術作品に描かれるヘルメスは結構スマートでイケメンなので、よく私は「お前なんかにダマされたりしないぞ!」と、ヘルメス像とのバカバカしい戦いを心の中で繰り広げている。

で、この「マーキュリー」は、ヘルメスの身軽さ、素早さを全面的に表現していて、ヘルメスが、かなり超人的な格好をしている。片足立ちしているのだけど、かなり危なっかしい。

バルジェッロ国立博物館は、作品のかなり近くまで寄ることができて(ぶっちゃけ、柵も何もないので、極限まで近づくことができる)、彫刻の鑑賞をするには、いろんな角度から鑑賞できるのが大変に嬉しいのだが、こんな不安定な格好をしている作品は、逆に近付きすぎるのがコワイ。何で安定して立ってることができるのか、不思議な作品だ。

次は博物館の2階部分。「マヨルカの間」という、イタリア陶器を展示している部屋は、すっごい…つまり、私でも描けそうな絵柄のお皿とかがあった。だーれも鑑賞してなかった。

私も早く出たかったのだが、姉は、こういう変な絵の陶器が好きだというマレな人物である。「あの変な鳥みて!」とか「変な顔見て!」とか盛り上がってた。あんなのが好きなら、私が描いてあげるよ…。こちとら、早く彫刻部門の部屋に行きたいのだがね…。

んで、ようやく彫刻の部屋へ。2階にある彫刻作品で一番有名なのは、ドナテッロの「ダヴィデ像」。

実は私、今までドナテッロ作品を見て、良いと思ったことがない。だが、この「ダヴィデ像」は良かった…。思ったよりは小さかったのだが、思った以上に…妖艶であった。今まで写真で見た時は、「あら何だか弱そうなダヴィデさん」くらいにしか思わなかったのだが、実物を見ると、何だ、この異様なほどの色っぽさは…。

髪型、細い鼻、小さな口などを見ていると、かなり女性的な美少年である。そんな女の子のような美少年が、巨人ゴリアテの生首を踏みつけ、口元にはわずかに微笑を浮かべている。ゴリアテの被っている帽子の羽根が、色っぽく足に絡みついてるし…。

…何だか、ルネサンス期は古代ギリシャでは普通だった少年愛が好まれた、って言う話もあるけど、これも、その表れなんだろうか…なんてことも思わせる作品である。

これが、アカデミア美術館のミケランジェロ作のダヴィデと同一人物とはとても思えない。ドナテッロと言うと、簡素で男らしい作品が多いと思っていたけれど、こんな作品も作るんだなあ…。

この「ダヴィデ像」の近くには、レオナルド・ダ・ヴィンチのお師匠さんのヴェロッキオが作った「ダヴィデ像」もある。ヴェロッキオ作のダヴィデは、レオナルド・ダ・ヴィンチがモデルとも言われているが、もしそうだとしたら、レオナルドさんはイケメン確定だ。

ちなみに、若き弟子・レオナルド・ダ・ヴィンチをモデルにするってのも、ちょいと師弟愛を超えてるんじゃないか…とか、ドナテッロの女の子みたいなダヴィデ像が暗示する妖艶さとか、そういうおもしろい話を読みたい方には、フィレンツェ・ルネサンス55の至宝 (とんぼの本)がおすすめである。

2階部分で、あと見逃してはならないのは、サン・ジョヴァンニ洗礼堂の扉の浮彫製作コンクールで、最終審査に残った、ギベルティとブルネルスキの「イサクの犠牲」が並べて置かれているものである。

最終的にはギベルティが扉製作を担当することになるのだが、ここバルジェッロ国立博物館に来たら、ぜひ、「ギベルティVsブルネルスキ!審判は私!」をしてみよう(だって、おもしろいじゃん)!

ちなみに、私はギベルティ作品の方が好きであった。フィレンツェのルネサンス美術の、二大潮流と言われる、「剛健系」(=マザッチョ、ドナテッロ、ミケランジェロなど)と「なよ系」(=リッピ、ボッティチェリ、ロッビアなど)。おそらく、ここでブルネルスキ作品が好きな方は「剛健系」派、ギベルティが好きな方は「なよ系」派だと思われる。

バルジェッロ国立博物館の3階には「ロッビアの間」と呼ばれる部屋があり、ロッビア好きの私はぜひ鑑賞したかったのだが、何とこの日は3階はまるごと閉まっていた。…まあね、4回目の正直でようやく入館できたバルジェッロ国立博物館。入れただけでもヨシと思うべきよ。

バルジェッロ国立博物館を出る頃には、姉も私もペルケノのジェラートのことしか考えられなくなっていたので、ペルケノに直行した。きっと喉がかわいたんだね。この後、ピッティ宮近くの「Dolcissma」という、超美味しいお菓子屋さんまで行って、お菓子を買い、いったんレジデンスへ戻った。

レジデンスでは、先に帰っていた母が、良い子に休んでいた。みんなでDolcissmaのお菓子を食べて、一休み。姉と私はこの後、サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院→ウッフィツィ美術館と回ることにした。母はもう少しゆっくりしてから、ドゥオーモ付属美術館に入り、その後、待ち合わせて、みんなでヴェッキオ橋の夜景を見に行くことと相成った。

さて、姉と私は、いつ行っても閉まっている、サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院に、通算4度目のチャレンジ。サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院のペルジーノの絵が見られるタイムテーブルは、2012年3月の時点では、下記の通りでしたよ。

サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院の張り紙

火曜日と木曜日の、14:30~17:30。

しかし、この開館時間を文字通り受け取ってはなりませんぞ。我々は、おとといの火曜日、17時過ぎに行ったのだが、もう閉まっていた。信じられますぅ~?信じられますぅ~?…私は信じられますよ!だって、ここはイタリアだものッ!

というわけで、開館も閉館も30分くらい余裕を持った方がよいかもね!ちなみに、サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院の入り口そのものは、「Borgo Pinti」という通りから入るが、ペルジーノの絵を見るためには、北側の「Via della Colonna」という通りの入り口から入るので、注意が必要である。

で、行ってみた。念のため、「見れると思うな、ペルジーノ!」と自分に言い聞かせながら行ってみた(もう3回もフラれているので、期待してツラくならないため)。すると、開いてたーーー!!!本日は、姉と私の「フィレンツェ3大入れないよスポット」の全てをコンプリートできたぞー!おめでとう、姉!おめでとう、自分!

ここは無料鑑賞できるので、本当は女性無料デーの日に来るべきではないのだけれど、とりあえず、開いていただけでも我々にとっては勝利なのだっ!

中に入ると、昨日訪問した「カスターニョの最後の晩餐」と同じように、ノートに記名するように言われた。係り員のヒゲヅラのおっちゃん、どこかで見たことあるなあ…と思ったら、おそらく昨日は「カスターニョの最後の晩餐」の係員をしていた人だ…。カスターニョの方も無料鑑賞できるので、このおっちゃん、フィレンツェ無料鑑賞スポットのドンなのであろうか。

作品は…思っていたよりも、ずっとヨカッタ!!!お題は「十字架にかかるキリスト」。十字架にかけられるキリストの真下にマグダラのマリアがいて、左の方にはお母さんのマリア、右には弟子の(おそらく)ヨハネとペドロが描かれている。

一般的には「ラファエロの先生」とだけしか知られていないペルジーノだし、ウッフィツィ美術館でペルジーノ作品を見た時も、「まあ、弟子の方がうまいね…」と思っていた。だが、ペルジーノの最高傑作とも言われるこの作品には、何とも静かな魅力のある作品であった。

やはり、どんな画家でも、その画家の傑作、と言われる作品には、不思議に鑑賞者を惹きつける作品が多い。歴史に残る芸術家には、生涯に一度は、芸術家としての最高の時が訪れるのかもしれない。

で、素晴らしい作品だったのだが、係員のおっちゃんとその友人のおしゃべりと、我々より先に鑑賞して、その後廊下で大声で騒ぎあっている若者集団が、…う、うるっさい!

静かな環境で鑑賞するのが似合いそうな絵なのに、しかも、キリスト教徒にとっては結構神聖な場面の絵だろうに、ちょっとはオダマリよ!「ここは神聖な場所です。大声で騒ぐことは慎み下さい」と、ローマのシスティナ礼拝堂で流れるアナウンスみたいなものを流したかったよ!

予想以上に良かったサンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院を後にして、我々は南の方へ向かった。

ドゥオーモ君

こちらは、サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院からドゥオーモ方面に向かう際に見えた、ドゥオーモのクーポラ。

ドゥオーモの内部には、無料で入れるので、ドゥオーモ前を通過するときに、我々はよくチャッと入ることがある。今回もチャッと入った。やあ、ドゥオーモ君。我々がまた来ましたよ。

我々が大ファンの、メディチ家のイケメン・ジュリアーノは、実はパッツィ家の陰謀によって、ここドゥオーモで命を落とす。その、ジュリアーノが殺された場所、と言われるのが、このアーモンド装飾の扉付近である。

ドゥオーモ アーモンド形装飾の扉

ダンテの絵が近くにあるあたりである。ジュリアーノの肖像画もこのあたりに飾ってほしいところである(マジで)。

ドゥオーモを出たら、次はウッフィツィ美術館。…うん、たった2日前に入ったばかりなんだけどね。何しに来たかと言うと、おとといウッフィツィ美術館のおみやげ(美術館所蔵の絵が撮影されているポストカード。この旅行はポストカード熱がすごかった)を買い忘れたから、おみやげ屋に入りたいんだよ。

夕方5時くらいだったが、まだまだ結構な行列だった。この行列の中に、ウッフィツィ美術館での一番の目的がポストカード購入である観光客は、おそらく我々二人だけ。

電光掲示板に60~90分待ちと書かれていて、ディズニーランドのアトラクションのようだった。よく考えれば、これで3回目のウッフィツィ美術館だけど、予約なしで入るのは初めてだ。やっぱり、予約ありとなしとでは、入場にかかる時間に大きく差があるなあ。

我々の前に並んでいた日本人の女の子集団が、「昨日より行列スゴイよ。何でかなあ…」などと話していた。…フッフッフ、それは、本日が女性無料デーだから、女性が無料だと知っている目ざとい我々のような女共が集まってきているからなのだよ。

ウッフィツィ美術館無料の張り紙

これが、女性無料を示す、ウッフィツィ美術館入り口前の張り紙。この張り紙は、入口近くまで進まないと見えないようになっている。大々的に張り出すと、もっと行列が長くなってしまうから、あまり大きくアピールしていないのだろう。

60~90分待ちと書いてあったが、20分くらいで中に入れた。まず地下のトイレに行き、その後、入館して、展示の始まる3階へと上った。6時半過ぎに母と待ち合わせしているので、1時間ちょっとくらいしか鑑賞する時間はない。好きな作品を集中的に鑑賞しようっ!

…と、その時!手に持っていた「地球の歩き方 フィレンツェとトスカーナ」が無いのに気付いた。「トイレに忘れてきたッ!」。姉はフィリッポ・リッピの前にずっといるから取っておいで、と言うので(リッピの前から動く気のない姉ってスゴイ)、美術館を逆走する私。フィレンツェ滞在は、もう残り滞在日数は短いのだが、明日行くルッカの情報が、地球の歩き方が無いと何もわからないッ!てなわけで、絶対に回収したい忘れ物っ!

3階部分と、1階部分の入り口で、「入り口前のトイレにガイドブックを忘れたので、取りに行きたいのです!」と係員さんに訴えると、こころよく通してくれた。ダッシュでトイレにかけこむと、あったぁぁぁ!!!地球の歩き方っ!あの持ち歩きすぎて表紙がしわしわになったみすぼらしい「歩き方」は、誰がどう見ても、私のモノっ!

館内に戻るとき、係員さんはスッと通してくれたが、おそらく夕方の時間帯で、入場者が少なくなっていたからスムーズに入れてくれたのだと思う。激混みの時間帯だったら、入り口の外に一度出て、また中に入れてもらうのはちょっと難しいかもしれない。…というわけで、皆さま、ウッフィツィ美術館の、入り口前のトイレに忘れ物しないように気を付けてください!

姉はリッピ、私はボッティチェリを集中的に堪能した。結構本気で逆走したせいで、息を切らしながらボッティチェリを見ている私。だいぶヤバイ。でも、みんなボッティチェリ見てて私なんか見てないから大丈夫。

おみやげ屋は、館内順路の最後にあり、予定通りポストカードなどを買いまくった。その際、トータル料金を、10ユーロも多く間違えられましたよ。気付いたので、ぼったくられずに済みましたよ。せっかく無料デーに入館して、おみやげ代を高く巻き上げられるんじゃ、話になりませんからね。

この後、母と合流した。母はドゥオーモ付属美術館の、ロッビアの聖歌隊席が最高だった、と言っていた。うん、あれは良いよ!フィレンツェの隠れた名品の一つである。(ちなみにドゥオーモ付属美術館は、公立でないため、無料でなかったそうだ)残念だったのは、ギベルティの「天国の扉」のオリジナルは、修復中で見れなかったそうだ。…去年も修復してたんだよなあ。いつになったら戻ってくるのやら。

シニョリーア広場のハーブ薬局「Spezierie Erboristerie Palazzo Vecchio」に立ち寄った後、暗くなってきたので、ヴェッキオ橋の夜景をお散歩。

アルノ川の夜景1

夜の河川敷でサッカーに興じる子供たち。イタリア人は、本当にサッカーがお好き。

アルノ川の夜景2

我々がおととい通ったヴァザーリの回廊は、闇の中、もう眠たそう。

遅い時間でも、ヴェッキオ橋周辺は、かなり人が歩いているので、全然危険を感じない。イタリアは、川沿いの夕景・夜景が美しい町が多いが、フィレンツェもかなりキレイな夜景を拝めるので、ぜひ夜のヴェッキオ橋周辺の散歩をしてみることをおすすめする。雲一つない天気だったせいか、今まで見たアルノ川沿いの夜景の中で、この日に見た景色が一番キレイだった。特に、ミケランジェロ広場方向の、キラキラ家の灯りが光っている丘が美しい。

この日は、ヴェッキオ橋の真ん中で、ストリートミュージシャンの演奏もあった。そこで出会った日本人の男の子グループにお願いして、ヴェッキオ橋の真ん中で、3人で写真を撮ってもらった。フラッシュを使わない方が夜景がキレイに映るが、フラッシュを使った方が人物の顔がしっかり映る。ジレンマ。

それにしても、女性無料デー、3人ともがんばりましたッ!女性無料デーに、無料にならない美術館もあることを知ったのが、今年の大きなポイント。来年はもっと緻密に計画をたてるぞっ!女性無料デーばんざいっ!

3/9ルッカ1 青地に映える白きロマネスクへ続く