3/9サン・マリノ旅行記2 モンターレより団子
さて。サン・マリノで、トイレと入国スタンプゲットというヤボ用を済ませた後は、サン・マリノの観光を始めるよ!
サン・マリノの見どころと言えば、断崖絶壁にそびえる3つの要塞である。まずは、市街地から一番近い、ロッカ・グアイタへ行ってみようっ!
ロッカ・グアイタへと向かう道。サン・マリノは、観光オフシーズンなのに、ウルビーノなどと比べても、観光客が多いことに驚く。今日が日曜日というのもあるのだろう。サン・マリノは消費税が無いので、近くのイタリアの町から、買い物目的で来る人たちもいるそうだ。そのため、ブランドショップも、街中には多く立ち並んでいる。
さーて。こちらがロッカ・グアイタ!
城壁の周りをぐるぐる歩いたり、要塞に上ったりできる。
この断崖絶壁の眺め!これは確かに天然の要塞だなー。人間が空を飛ぶ技術がない時代には、やはり上の方に陣取る方が有利なのだなー。
右を見ても断崖絶壁。ちなみに、私はちょっと高い所が恐いのだけど、なぜかサン・マリノの断崖絶壁は、恐怖を感じなかった。ラヴェッロの方が恐かったなー。ラヴェッロでは風が強かったからだろうか。この日はお天気も良く、むしろすがすがしい断崖絶壁であった。
天気がよければ、アドリア海も見えることがあるらしいのだが、この日はちょっと霞がかっていて、海までは見えなくて、母がしきりに残念がっていた。母よ、何もサン・マリノから見なくても、アドリア海は、ギリシャから船で渡ってきて、嫌と言うほど見たではないか。イヤ、わかるよ。サン・マリノから見たいんだよね。うん、わかるよ。
要塞に上がるための階段。そう、あの結構ちっこい正方形をくぐらなければならないのだ。結構ちっこい。昔は実用的に使っていた要塞だと思うのだが、容量オーバーの兵士とかいなかったのだろうか。サン・マリノ人はスリムなのかなあ?
こちらが、窓から、360度監視できるようになっている要塞。窓のいくつかが開けてあって、パノラマが拝めるようになっている。
逆光で映りが悪いが、お隣のチェスタの塔が見える。最近ようやく、姉が写真を撮る時によく「逆光が…」とかゴネる理由がわかってきたよ!逆光だと映りにくいんだね!でも、どうして映りにくいのか、その原理はちっともわからないね!イエイっ!
このような、要塞の周りの通路を、ぐるぐると歩けて楽しいわけだが、ひっじょーに足場の恐ろしい場所を発見!
キャー…。わかりますか、コレ?下の方、遥か遥か遠くに、ちっちゃーく町が見えているのですよ!恐ろしいったらありゃしませんよ!でも、なーんの事故も起きたことがないから、このままなんだろうなあ。しかし、文字通り「足がすくむ」という、貴重な経験をしたよ。本能はエライねえ。これ以上進んじゃダメ!と足に命令が行くんだろうなあ。
中ではなぜかレオナルド・ダ・ヴィンチ展をやっていて、ミラノのアンブロジアーナ絵画館から拝借したと思われる、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿の一部を展示していた。アンブロジアーナ絵画館では撮影禁止だったが、ここは撮影フリーだったので、記念に撮影した。それだけのことだよ。レオナルド・ダ・ヴィンチはサン・マリノに来たことがあるのだろうか。
ロッカ・グアイタは、監獄として使われていた時期があるらしく、このように監獄跡が残っている。…って、サン・マリノのような、小さな国で、収監しなければならないような犯罪人が出ることがあったのだろうか。それとも国際犯を収監していたのだろか。いずれにせよ、近くのサン・レオも強固な監獄を持つ、岩場の上の町なので、共通点を感じる。犯罪人を、テクノロジーで閉じ込めることのできない時代には、逃げられない断崖絶壁の地形こそが、監獄にとって、もってこいの条件だったのだ。
監獄跡には、囚人が描いたと思われる落書きが残っている。上の絵なんか、描かれている衣服からして、結構最近描かれた絵って感じだ。下の絵は、悪魔と思われる落書き。自分を閉じ込めている人々を恨んで描いた絵なのだろうか。
こちらは、ロッカ・グアイタの中にあった、古そうなカワイイ教会。小さな十字架が屋根のてっぺんにあるので、おそらく教会だと思う。
サン・マリノでは、町の創始者である、聖マリノを祀るサン・マリノ聖堂という教会が一番重要な教会だが、今回は行く時間がなかった。リミニ方面(海側)からサン・マリノに行く人は、ロープウェイ乗り場の近くにある聖堂なので、必ずチラ見くらいはできる場所にある教会だ。我々はウルビーノ(山側)から来たので、聖堂前を通らなかったのだ。
「第一の塔」と称されるロッカ・グアイタの次は、「第二の塔」と言われるチェスタの塔を目指す。
ロッカ・グアイタから、チェスタの塔へと続く道が見えている。風情たっぷりで、サン・マリノでは一番好きな風景だった。
だが、ロッカ・グアイタからチェスタの塔へ続く道は、観光客のメインストリートなので、観光客向けのお店がちょこちょこと並んでいる。お土産屋さんが並ぶのも観光地の華やかな光景の一つでもあるので、別にお店自体があるのは構わないのだが、売っている品物は、サン・マリノの名産と言うよりは、観光客向けのガラクタっぽいものや、安い革製品などだ。オモチャの日本刀とか、ワケのわからないガイコツグッズもたくさんあるし!残念ながら、この素敵な風景を、ちょっと俗っぽい雰囲気にしてしまっている。
とはいえ、ここらへんで小腹がすいてきて、母が食切れで元気が無くなってきたので、このつまんないお店で、つまんないぼったくり価格のクッキーを買って、カロリー補充した。文句言っている割には、しっかりこういうお店を使っている観光客の我々だったのだ。
ロッカ・グアイタからチェスタの塔に向かう途中で、市街地を取り囲んでいる城壁を出ることになる。
こちらが、世界最古の共和国をガッチリ守り続けている城壁である。
この城壁を歩くことができたので、つい、道を逸れて、城壁を歩いてしまう我々。こんなことをしているから、スグ時間がなくなるのだよね。気ままなのんびり旅行がモットーではあるのだが、あまりにものんびりしすぎると、後から急いだり、行きたかった場所が時間切れで行けなかったりするのだよ。最近の反省だよ。反省大事(反省を活かすことはもっと大事ですよ!)。
ちなみに、我々がルートを外れて、この城壁を歩き始めると、後ろから来た観光客もつられて城壁の方へついてきた。観光客のこの連鎖反応って、本当に観光客のサガなのである。イヤ、「旅人のサガ」って言った方がかっちょいいね。これからはそう呼ぶことにするよ!
チェスタの塔に到着~。グアイタの塔からは、歩いて5分くらいである。
チェスタの塔は、アンティークな武具の博物館も兼ねている。
私は、女だからなのか、祖先が農耕民族なのかはわからないが、どうも武具って、ぜんっぜん興味が持てない。人類の歴史は戦争の歴史だなんて言われるけど、もう少しこういうのに興味が持てたら、世界史の理解も進むのかなあ。
でも、メドゥーサがあしらわれた盾は、ギリシャ神話が好きだから興味あるよっ!コレ、勇士ペルセウスが、戦いの女神アテナに怪女メドゥーサの首を献上して、アテナがその首をはめこんだという、「何でも防ぐイージスの盾」ですねっ?このイージスの盾、日本の漫画やアニメ界ではよく使われているので、「イージス」とか、そのラテン名の「アイギス」とかって、耳にしたことがある方も多いだろう。
それにしてもアテナ…いくら盾だと言っても、私だったら、こんなコワイ生首を自分の持ち物にはめ込むのは嫌だよ…。
チェスタの塔は、ロッカ・グアイタより標高が高い。そのためか、眺望はロッカ・グアイタよりもチェスタの塔の方がよかった。
チェスタの塔から左側を見ると、ロッカ・グアイタがきれーいに見える!
これぞサン・マリノって感じの、圧巻の眺め!いかにサン・マリノが断崖絶壁の国なのかがわかる。
右側を見ると、第三の塔であるモンターレが見える。ちっちゃいけど、モンターレかわいい。
素晴らしい絶景が拝めるチェスタの塔なのだが、眺望スポットが非常に狭く、そこに、次から次へと観光客が上ってくる。コレ、入場制限しないと、マジで危ないよ!上へ上るための階段が狭く、そこにどんどん観光客が上がってくるため、上にいる人間が、下に降りることができない。下から上がってくる人は、上の状況がわからないので、どんどん上ってきてしまう。
本気で、ラッシュ時の埼京線ホームみたいな危険さを感じたのだが、下ろうとしている人も困っているだけで、何の対策も取らないので、マジで人間が飽和状態になって危ないよ!仕方なく、姉と私が出しゃばって交通整理をすることにした。
怪しげな英語とイタリア語を混ぜながら、「ストップ、ストップー!上は人がいっぱいで、先に降りさせてもらわないと、危ないよー!」ということを、かなり危機感ある声で下の人々に叫び散らして、いったん階段から降りてもらった。イヤー、結構苦労したなあ…。もっと観光客の多い夏場とか、どうなっちゃうんだろう。ていうかサン・マリノ観光局、仕事しろ!骨の髄まで観光業ぢゃないんですかっ!?(ソレ、アンタが勝手に言ってるんだよ…)
そんなこんなで、チェスタの塔を降りた頃にはちょっと疲れてしまい、小腹どころか腹ヘッタ。ので、大変遺憾ながら、3つ目の塔モンターレは諦めることにした。ごめんよ、モンターレ…。一番小さい塔で、しかも一番遠くにあるので、結構みんなにシカトされるらしいから、行ってあげたかったのにさあ…。(まあ、行っても中には入れないのだが)
この道の向こうの方にモンターレが待ってるのに、ここで断念せざるを得なかった我々。腹が減っては旅はできぬのだ。
というわけで、この後はランチ休憩に入ります~。