3/18フェラーラ旅行記10 美味しい料理は超スローペース
さてさて。フェラーラ最終日の夕方は、お土産探しに奔走するっ!
なぜに今回の旅行は、こんなにお土産探しに手間取っているのだろう。
ひとつは、荷物を増やしたくないからと、旅程の前半を占めたギリシャで、ほとんどお土産を買わなかったこと。もうひとつは、最終目的地のフェラーラで買おうと思っていたのに、フェラーラの中心街のスーパーが小さくて、お土産探しに向いていないこと!
私の旅の目的は、買い物はそれほどウェイトを占めない。グローバル化がこんなに進んだ時代に、旅土産というものが、それほど貴重なものではなくなっているとも思っている。
それでも!日本社会で生きる上では、お土産を購入して帰らねばならない事情もある。ちなみに、欧米では、旅のお土産を他の人に買って帰る習慣は日本ほどはなく、大抵の場合は自分へのお土産を購入して帰るらしい。
お土産文化が、日本のいいところなのか悪いところなのか、何とも言えないなあ。自分がもらって嬉しいこともあるし、お土産のやり取りから始まる、旅の土産話などという良い部分もたくさんあるのだ。
道ばたにはフェラーラ名物の、フェラーラパンが飾られている。しかし、フェラーラパンは形が面白いとは言え、パンはお土産には向いていなさすぎである。
パスティッチェリア(お菓子を売っているカフェ)に、フェラーラ名物の「パンパパート」というチョコレート菓子が売っていた。これがお土産でもいいかな、と、ひとつ買って食べてみたが…見たまんまの硬いチョコレート菓子であった。
まあ、銘菓って、古いレシピだから、目ん玉が飛び出るほど美味しいってことはあまりないのよね。しかし、アマルフィのレモンケーキだけは別である。
さてどうしようっ!何かだんだん暗くなってきたし、早めにお土産をゲットしないと、お店が次々に閉まっていってしまうぞ…!
エステンセ城の南の方の通りに、看板の下に「クオリティ・フード・フェラーラ」と書いてある食料品店を発見!「クオリティ・フード・フェラーラ」なら、何か買えるのではないかっ?
このようなお店は「Macelleria」と呼ばれるタイプの食材店で、スーパーで売っているものより、より地元に密着した、ちょっと高級志向の食材が置いてあることが多い。お店の中は、地元のフェラーラ人が何人かいて、チーズやハムを購入していた。
店内を見回してみると、モデナ産の質のよさそうなバルサミコ酢を発見!
ここはモデナではないけど、モデナはフェラーラと同じエミリア・ロマーニャ州の町だし、エミリア・ロマーニャ州土産としては間違いないだろう!バルサミコ酢は、日本では割高だが、イタリアでは結構な品質なものを、お財布にやさしいお値段で購入できるのである。
また、近隣で取れたキノコを乾燥させたドライフードもあった!ドライキノコは軽いし、水でもどして食べると美味しいので、結構喜ばれるのよね!あー、助かった!
ドライキノコと、バルサミコ酢を何とかゲットし、スーツケースに入れて、日本まで持って帰りたい旨を告げると、スタッフの男性が、バルサミコ酢を丁寧にプチプチに包んでくれた。店内のフェラーラ人が、それを面白そうに見学しているのだが、店内の地元の人たち、全然買い物をしようとする気配がない。
実は、この時、既に閉店時間を過ぎてしまっていたらしい。なのに、嫌な顔一つせず、丁寧にバルサミコ酢を包んでくれていたのだ。ああ、フェラーラの皆さん、ありがとうっ!何となくギャラリーにまで感謝したくなる私。
さて、無事にお土産をゲットできたので、あとは、明日の帰国に向けて荷造りするだけである。
今夜のディナーは、「Trattoria da Noemi」という、人気店を夜10時に予約してある。ランチの後に、ホテルに帰る途中で、人がわんさか集まっているトラットリアを見かけたので、「おおっ!スサマジイ人気だ!夜はここで食べよう!」と思い、その場で予約したのである。
しかし、本当に人気店で、夜10時からしか予約が取れなかった。明日の出発は早いので迷ったが、姉と相談して、荷造りなどを全部済ませてからディナーに行けば、ディナーしてから荷造りするのと、就寝する時間はそう変わらないだろうと、予約を入れたのであった。
荷造りが済んだら、夜10時のディナーまで、夜のフェラーラを散歩した。こんな遅い時間だが、ほとんど治安に不安を感じないフェラーラ。
ライトアップされたエステンセ城!
静まり返った夜のお堀。水面にお城が移って、美しい。
カテドラル前の広場は、夜でもこんなに活気がある。本当にフェラーラは若者が多い町だ。
こちらはカテドラル側面の回廊。人通り多いなあ。しかし、フェラーラのカテドラルの正面部分が工事中で見れなかったのは、フェラーラの心残りである。きっとまたいつか…!
予約しているトラットリアは、ヴォルテ通りの近くなので、夜のヴォルテ通りも見に行った。
なんて幻想的!夜のヴォルテ通りは、人が少なかったが、それがさらに幻想的な雰囲気に拍車をかけていた。まるでフィクションの世界のような雰囲気。歩く足取りが、何だかふわふわしてしまう。
さて、時間になったので、「Trattoria da Noemi」へ。満席も満席であった。予約なしで入店するのは難しいお店かもしれない。
英語ペラペラの、にこやかなお兄さんがメニュー選びを手伝ってくれた。「なるべくフェラーラらしい料理が食べたい」と言うと、彼がいくつか強く推薦するメニューがあるというので、彼がすすめてくれたお料理をそのままオーダーした。
ズッキーニの花にモッツァレッラチーズを詰めて揚げた前菜!
私、揚げ物はあまり好きでないのだけれど、これはマジで美味しかった!高級てんぷらみたいに、皮がパリパリしているし、モッツァレッラチーズのとろけ具合も最高!
フェラーラ風味のサラミを、マッシュポテトで包んだもの。これ、ウェイターのお兄さんが「僕が好きな料理」と言っていたが、いや、お兄さんの舌は確かであった。
実は私、マッシュポテトもあまり好きではなく(好きでないものばかりウェイターさんに追従してオーダーしている私)、何年も前にドイツに行った時は、毎日のマッシュポテト攻勢で、じゃがいもを見たくもなくなったこともあったくらいなのだ。
しかし、このマッシュポテトはあっさりしていて、口触りも最高!逆にこってりとした味付けのサラミを、上手に引き立てている。ちなみに、このフェラーラ風サラミも、他で食べたことのない味だったが、非常においしかった。
こちらはつけ合わせでオーダーした、グリル野菜。野菜も食べなきゃね!
姉と二人で、たったこれだけしかオーダーしなかったのにはワケがあって、こんなにおいしいお店なら、デザートも美味しかろうと思い、デザート分の胃袋スペースを残しておいたのだ。
しかし、このお店、味は最高なのだがひとつだけ問題があり、料理が出てくるのが非常に非常に遅かった。イタリアはスローフードの国だし、混んでいるから仕方ない面もあるとはいえ、こんなに遅いのは初めてだった。
これは、お会計を頼んでもなかなか来ないパターンだろうと考え、もう夜の12時が近くなっていたので、デザートは諦めて、お会計をお願いしようと姉が言った。
この姉の決断は英断で、予想通り会計も、10分、15分待っても来ず(忙しいというのもあるとは思うが、担当ウェイターさんは近くのテーブルでお客さんと談笑していた…)、「すみません、時間がないんです」とお願いすると、ようやく来てくれた。ふう~。
予想以上に遅くなってしまったが、それでも深夜とはいえ、あまり怖さを感じないフェラーラ。帰る途中、カテドラルの側面部で、チェーンのジェラテリア「グロム(GROM)」が、こんな時間だというのに開いていた。姉「デザートのために空けておいた胃に、グロムのジェラートを入れようかな」。姉…。
と、いうわけで、フェラーラ滞在はグロムのジェラートで〆となった(もちろん私も食べた)。明日はもう日本に帰るだけ。こうなると、もう私の頭の中には「次、どこに行こうかな…」と思いが沸いてくるのである。何百回も言うように、帰るまでが遠足よッ!!!