ミコノス島からデロス島へ 船の揺れなど心配するな!

2017年3月3日
ミコノス島からデロス島へ

 

本日は、ミコノス島滞在のメインイベント!ミコノス島からデロス島へ行くよーっ!

デロス島というのは、古代ギリシャ遺跡が一面に広がる無人島である。もう一度言いますよ。古代ギリシャ遺跡が一面に広がる無人島である。…これが、我々の心をくすぐらないことがあり得るだろうか。

デロス島に行くには、ミコノス島から行く以外には手段はない。そのための、オフシーズンのミコノス島滞在なのである。

しかし、このデロス島行きは、先の旅行記にも書いたのだが、大変苦労しましてですね…。

デロス島係の姉が、デロス島は、オフシーズンの冬季でも、金曜と日曜だけは、ミコノス島から船が出ることを調べてあった。ちなみに、デロス島、ガイドブックには「年中無休」と書いてあるんだよ。無人島なのに、船が出ない日に、どうやってオープンするんだろうね。誰も来ないことを承知で開けるんだろうか。それとも、泳いで渡ってくる観光客がいるとでも言うのか。

デロス島は、島全体が遺跡なので、入島料=遺跡への入場料となる。だが、デロス島、デロス遺跡の公式サイトなるものは見つからなかった。そこで、姉はデロス島への船を出しているツアー会社のHPを見て、調べていたのである。

しかし、出発2ヶ月前の1月になって、姉が念のため時刻表を確認しようとすると…「えっ?時刻表がなくなっているよ!」。

時刻表のところには、「To be advised」という、何とも訳しにくい英文が書いてあるのみであった。アドバイスされること(ため?)ってどういうことよ?不安になった姉は、TripAdvisor (トリップアドバイザー)で、ここ最近デロス島に行っている人がいないか調べてみると、トリップアドバイザーのクチコミが、昨年の11月でストップしているのである。

こ・これは…まさかのデロス島冬季完全クローズのお知らせか!?ガイドブックに年中無休って書いた人は誰だーっ!?姉と私は、デロス行き(+ミコノス行き)は中止して、ヒオス島とかロドス島に変更するか?とまで話し合った。

私はほとんど諦めていたのだが、姉は私の300倍くらい行動力がある人なので、3月にデロス島への船は出るのかどうか、ギリシャ観光局と、デロス島への船を出している「デロスツアーズ」へ、メールで問い合わせた。

ギリシャ観光局からの返信は来なかった。何が観光局だよ。その代わり、デロスツアーズからは、丁寧なお返事が返ってきた。「たぶん金曜に船が出るとは思いますが、決まり次第、HPに掲載します」。おおおっ!デロス島を諦めるのはまだ早い!?

で、出発の2週間前くらいに、めでたくデロスツアーズのHPに、金曜と日曜に船が出ることが発表されたのである。ふう…一件落着。

一件落着ではあるが、あまりうかうかもしていられない。というのも、金曜も日曜も、船が出るのは、往復一便ずつ。そう、一便。唯一無二。ナンバーワンではなくオンリーワン。

しかも、往路9時発。復路12時半発。ミコノス島とデロス島間に船でかかる時間は、30分。つまり、デロス島には3時間しか滞在できないのである。

3時間もあればじゅうぶんじゃないの?と思われるかもしれないが、デロス島は、島全体が観光地である。島全体っすよ。しかも、山もある。山だって登りたい。もー、全力疾走で回らないと、3時間ではとても見て回れない。

どうして、船の時刻表が、こんな強行日程なスケジュールなのか、わからない。復路は午後から夕方にかけて船を出すのが妥当だろうよ!まあ、船長さんたちが、さっさとミコノスに帰りたいんだろうな…。(姉は、午後からは海が荒れるんじゃないか?と擁護していたが)

そういうわけで、ゆっくり見て回りたいのに、午前中で強制終了させられてしまうデロス観光。

そしてさらに、デロス島行きには最後の難関があった。「風が強い日は船が出ない」。もーこればっかりはね、天に祈るしかない。しかし、ミコノス島の海沿いは、どうにも強風が吹いているんだな。だ、大丈夫かなあ?

ミコノス島

我々は、船の出発時刻30分前には張り切って港に来てみたのだが、シーンとしている。本当にデロス島行きの船は出るのだろうか。ちなみにこの時は、画像に写っている、奥のデカい船が、デロス島に行くと思っていた。

ミコノス島

この窓口でデロス島行きの切符を売るような気がするんだけど、開いてないし、人の気配もない。

ここでしばらくジーッと待ってみたが、何せ風が強くて寒く、じっとしていられない。ヒマなので、またペリカンのペトロスを探しながら、オバケ教会(パラポルティアニ教会)まで行ってみた。

ミコノス島

おはようっ!オバケ教会っ!今日は、天気が良くて、明るい水色に、オバケ教会の白が映えていて気持ちがいいっ!私が、昔、写真集で見たオバケ教会も、こういう色合いだったのだ。いやー、この素晴らしい色合いのオバケ教会に出会えて良かった!早起きは3文以上の得だね!

最高のコンディションのオバケ教会を見れた我々だが、今朝のメインはオバケ教会ではない。デロス島行きだ。船の切符を買いそびれたら困るので、いそいそと港まで戻った(それにしても、ペトロスはいないなあ)。

しかし、港には、誰もいない。しーん。そこに、一人、観光客っぽい女の子がやってきたので、「これからデロス島に行くんですか?」と聞いてみた。すると、Yesとのお答え。

「船はこの港から出るんですよね?」と聞いてみたが、彼女も観光客なので、「たぶん」と言って苦笑いするしかない。カナダから来たという彼女も、船の切符はまだ持っていないらしい。船が出る9時まで、30分を切っているのだがなあ。

そして相変わらず、ミコノス島の海沿いは、風が強くて、ずっと立っているのは寒い。昨日、ディナーに入った、レストランの「Captain’s(キャプテン)」が、港のすぐ近くにあり、もうこの時間には開いていたので、キャプテンでコーヒーでも飲みながら、港でデロス島行きの切符販売が始まらないか、見張ることにした。

で、キャプテンに入ると…デロス島までの船を出す、「デロスツアーズ」のウィンドブレーカーを来た男性が、中でくつろいでいるではないか!うむ、たぶん、彼を見張っておけば、デロス島に行きそびれることはないだろう。我々は、彼の後ろのテーブルに座り、港ではなく、彼を見張ることにした。

ミコノス島

キャプテンでエスプレッソを頼むと、おまけのお菓子まで出てきた。しかも、美味しい。もー、キャプテン大好き!(何と、この日にあと2回入ります)

8時45分になろうとした時、おもむろにデロスツアーズのウィンドブレーカーが立ち上がった!おっ!切符の販売が始まるのか?我々も、いそいそとウィンドブレーカーの後をつけていく。

そして、港の船の前で、ぴったり船の出発の15分前に、デロス島行きの切符販売が始まった!窓口なんか使わないよ!船の前で、おじさんから買うよ!(ウィンドブレーカーさんとは別のおじさんだった)おそらくだが、夏場は、窓口で、もう少し早い時間から販売し始めるのではないだろうか。

他の観光客さんは、この「15分前」というルールを知っていたとでも言うのか、さっきまでシーンとしていた港に、人が集まり始めた。あまりにもお客さんが少ない場合は、船を出さないときもあるなんて噂もあったので、少しずつ人がやってきてホッとした。ちなみに、運賃は往復で€20であった。

港に泊まっていた二艘の船のうち、大きい方の船でデロス島に行くと思っていたのだが、それは私の華麗な妄想で(冬場にそんなにお客さんがいるわけない)、ちまっとした方の船であった。

ミコノス島

この船だよ。小さいよ。

デロス島への船

船の中はこんな感じ。20人ちょっとくらいが定員かな。

しかし、小さい船、か…。私は、船酔いに弱い。船は、小さくなるほど船酔い危機が高まると聞いたことがある。イタリアのナポリからカプリ島に行ったときも、高速船に揺られて酷い目に遭った。

船頭と、船尾と、どちらが揺れないかなあと、姉と話していたら、姉は「外に船長さんらしき人がいるから聞いてくるよ」と、船から出て行った。船長さんは、絵に描いたような海の男って感じで、私は話しかけるのも躊躇してしまいそうな雰囲気なのだが、姉はこういうことがへっちゃらなのだ。

しばらくして姉は戻ってきた。「(声を低めて)『心配するな!』…だってさ」。おおっ!船長さんカッコイイっ!海の男っ!俺と、兄貴の、よォォ~!

船は、ほとんど時間通りに出発した。観光客らしき人は、全部で12、3人。他は、船長さん、デロスツアーズのウィンドブレーカー、あと、3人ほどよくわからない人が、何と、ナイフを手に持って乗っていた…。このナイフが、何に使われるのかは、帰るときに判明するのだ(お楽しみに)。

遠ざかっていくミコノス島。確かに船は揺れるけど、船揺れに弱い私でも、こういう写真が撮れるくらいの余裕はあった。しかも、ミコノス島からデロス島まではわずか30分だ。

デロス島

船の揺れに身を任せているうちに、見えてきたよ…デロス島っ!

デロス島

海から見えたデロス島は、人の気配もなく(実際に無人島)、ギリシャ神殿の跡である柱だけがぽつぽつと立ち並んでいて、ちょっと言葉を無くすような眺めであった。時間や歴史は、ずっと流れているようで、止まる瞬間もあるのだ、と感じた。少なくとも、人間の感覚の世界では。

さあ、これから、このデロス島に足を踏み入れるよっ!感動だねっ!感動だよっ!(足を踏み入れてから感動しなさいよ)