ミコノス島からアテネへ アテナ様が見ている

アテネ

3/3ミコノス島からアテネへ

ミコノス島から、アテネまでは40分という短いフライトだ。

しかし、実際のフライト時間は、40分どころか20分で、あっという間に着いてしまった。

やったー、早く着いた~と喜んだが、着いてからが長かった。飛行機が着陸してから、のろのろと空港内を移動し、もう陸地についているのに、飛行機から出られない。1時間もしないフライトなので、イライラすることはなかったが、こういう時間までフライト時間には含まれているんだなあ、と知識がついた。

アテネに着いたのは18時頃だったが、空は既に暗くなっていた。

さて、アテネ空港からアテネ市街地への移動は、3年前に経験済みである。その時は、タクシーを使った。

そのタクシーは、結構最悪であった。空港からアテネ市街地までは定額€38と決まっているのだが、ドライバーは道に迷って、宿泊するホテルに電話をかけた挙げ句、精算の際には、「電話代をよこせ」「荷物代をよこせ」などとのたまった(もちろん強靱な姉がついていたので払わなかった)。

その時の印象の悪さのため、あまり空港からタクシーは使いたくない。また、今回はシンタグマ広場に、宿泊するアパートのホストが迎えに来てくれる手順になっているため、空港からシンタグマ広場までであれば、公共交通機関を使って簡単に行くことが出来る。最初は、地下鉄を使って行こうと考えていた。

しかし、昨日、宿泊するアパートのホストさんからメールが届いた。何と、今日は地下鉄のストライキがあるらしい!「地下鉄は動かないので、シンタグマ広場までバスで来て下さい」。

いやー、親切なホストさんだ。ホストさんのメールのおかげで、我々は空港を出たらまっすぐにバス乗り場へと向かった。空港の出口を出て、すぐ右手である。

シンタグマ広場まで行くバスは95番である。バスの種類は多く、バスの番号ごとに乗り場が分かれている。それほどわかりにくくはなかった。バスの切符売り場は、ちょうど95番バス停の近くにあった。

しかし…地下鉄がストライキをしているせいで、バス乗り場はかなり混雑している。空港から市街地まではバスで1時間以上かかる。

デロス島を走り回ったこともあって疲れているので(そういえば今日は、船にも飛行機にも乗った忙しい1日だったな)、できれば座りたいなあ…。ギリシャも、イタリア同様、バス乗り場では皆、きちんと並ばない。日本みたいに、ちゃんと列になる習慣があれば、1本見送ってでも、次のバスで座るんだけどなあ。

だが、心配無用だった。姉は、こういう椅子取りゲームにめっぽう強いのだ。姉は難なく二人分の席をゲットした。もし、椅子取りゲームがオリンピック競技であれば、姉は大げさでなく金メダル候補だと思う。いったいどんなスポーツ・ゲームがオリンピック競技としての地位を得るかで、人生は大きく変わるのだなあ、と、ぼんやり思う私。

ちなみに、この空港からアテネ市街に向かうバスは、路線バスなので、切符の刻印が必要になる。刻印の仕方は、周りの乗客の真似をすれば問題ない。

地下鉄のストライキのせいか、バスの中自体も混んでいたが、道路そのものも混んでいた。バスの進みは非常にのろい。今日はハードな一日だったこともあり、私はだいぶ疲弊してきた。

姉の特殊能力のおかげで、椅子がゲットできたのは、本当に幸いだった。椅子に座れなかった乗客は、本当につらそうで、床に座り込んでいる人もいた。

よくよく見てみると、私も含めて、座っている乗客ですら、かなりつらそうにしている人が多い。何で乗客の皆がこんなにしんどそうなんだろうと思ったが、このバスは、作りが長距離バスでなく、路線バスなので、椅子の座り心地もあまりよくないし、車体の振動も、モロに伝わってくるのだ。

ああ、早くバスを降りたいよう…。座っている私がゼイタクなことは言えないけど。そういえば、今日のお昼頃は、キントス山の頂上にいたんだな…。まだ旅行たった2日目なのに、つ、疲れた…。

姉は私よりもずっとしっかりしていて、シンタグマ広場で待ち合わせしているホストさんに、「道路が混雑していて、バスが30分以上遅れそうだ」とメールを送っていた。ビバ姉。アンタは金メダル候補だよ(椅子取りゲームの)。

もう、本当にクタクタになった頃、ようやくバスはシンタグマ広場に到着した。空港を出てから2時間近く経過していた。シンタグマ広場が見えてからも、ぐるーっと回って、広場の南側に停車した。本当に本当に長く感じた時間であった。

私はよろよろとバスを降りた。姉は「これだけバスが遅れてしまったから、ホストさん待っててくれてるかな」と周囲を見渡す。その時、若い女性が姉のファーストネームを呼びながら近寄ってきた!おお!ホストさん!日本人女性二人連れは他にいなかったので、すぐわかってくれたようだ。

ホストさんは、快活な雰囲気の若い女性であった。英語もペラペラだし、あー、何だか助けが来たって感じ!私はバスに少し酔っただけだったようで、バスを降りたらすぐに元気が出た。

宿泊するアパートは本当にシンタグマ広場のすぐ近くで会った。しかもっ!

アテネ

テラスの向こうに見えているのは…

アテネ

ごらん!あれは!パルテノン神殿だよっ!しかも夜景っ!パルテノン神殿が見えるアパートとは聞いていたけど、こんなにバッチリしっかり見えるとは思っていなかったよ!最高だよっ!!!

宿泊したアパートは、アテネのど真ん中にある、かなり古そうな建物の中にある。そのため、シャワーや台所の設備が古かったので、使い方を説明してもらった。

ここはアパートなので、フロントはなく、ホストの女性は説明が終わったら帰ってしまう。ギリシャで、こんな個人経営の宿泊施設に泊まるのは初めてだ。慎重に行こう、旅人よ。

ホストの女性が帰った頃には、もう夜の9時半を過ぎていた。まだ夜ご飯を食べていないが、こんな遅い時間に、どこかで食べる気にはならない。簡単なサンドイッチか何かを買ってきて、アパート内で食べることにした。

我々が宿泊するアパートは、メインストリートのエルムー通りから、一本北に入った通りにある。アテネのど真ん中ということもあって、売店はこんな遅い時間でも開いていたため、水やヨーグルトをゲットすることができた。

エルムー通りを突き当たりまで歩くと、パン屋さん(アッティカ・ベーカリー)がこんな夜遅くに開いていた。このアッティカ・ベーカリーでサラダとサンドイッチを買って帰った。

アテネ

これが今日の夜ご飯だよ。サラダは結構美味しかったよ。

あー、それにしても、疲れた。この日の写真が少ないことからも、私の疲れが伝わってくる。私はカメラへの情熱が少ない旅人なので、ちょっと疲れると、まずは自分の関心事のなかから、カメラ撮影を除外してしまうのだ。

とにもかくにも、アテネ歩きは明日から。疲労困憊だったため、すぐにでも寝てしまいたかったのだが、このアパートはバスタブ付きなので、お風呂にゆっくりつかって疲れを取ろうと思った。

アテネ

疲れているときは、バスタブが楽園のように見えるよ。

ホストさんは、お湯のシステムについて、使う前にスイッチを入れ、10分後にはお湯が出るようになり、その後は1時間はお湯が使い放題だ、と言っていた。だから、姉は、バスタブにお湯を張った。

姉がバスタブにゆっくり浸かり、シャワーを浴びると、何だかお湯の温度が低くなってきた。それでも、ホストさんが1時間は使えると言っていたので、次に私が入った。

私が入ったときには、シャワーは完全に水になった…。

もういい、もういいから!とりあえず、今日はもう疲れたんだよ!お風呂の使い方は明日ゆっくり考えるとして、今日は寝るったら寝るよ!

何はともあれ、窓の向こうからは、女神アテナを祀るパルテノン神殿がこちらを見下ろしてくれているのだ。きっと、アテナが明日何とかしてくれるさ…おやすみ…。アテナ「私は戦いの女神であって、お風呂のことは専門外よ!」