ミコノス島旅行記2 ボス猫お兄とオバケ教会

パラポルティアニ教会

2017年3月2日
セント・ニコラス教会
パラポルティアニ教会

今回、ミコノス島は、1泊のみである。

のんびり旅行がモットーの我々が、なぜ、そんなに慌ただしい日程にしたのかというと、実は、目的はミコノス島ではなく、ミコノス島からしか行けないデロス島なのである。

ミコノス島は、人気観光地ではあるが、ビーチが美しいリゾート観光地であり、泳げない季節に足を運んでも、あまりやることはない。

オフシーズンのミコノス島でやることといえば、迷宮状の町並みがかわいらしいミコノス・タウンを歩くことくらいである。そのミコノス・タウンも小さいので、半日で歩き通せてしまう。

そんなわけで、オフシーズンの3月ということもあり、ミコノス島はたったの1泊。明日、デロス島へ行き、ミコノス島に帰ってきたら、夕方の便でアテネへと飛ぶ。我々の旅行で、こんなにテキパキと動くのは、かなり珍しいことだ。

デロス島行きは、明日なので、今日は、ただただミコノス・タウンをブラブラするだけである。

ミコノス・タウンは、迷宮度がそれほど高いわけではないのだが、何せ、白塗りの壁が続き、似たような町並みがずっと続くため、方向感覚がおかしくなる。私は、最初からミコノス・タウンの地図を頭に入れるのは諦めて(私は重度の方向音痴)、姉に地図を任せっきりにして、後ろをくっついて歩いた。

まずは、お腹がすいた。何せ、今日はしっかり朝ごはんを食べていない。

ミコノス島

姉が調べておいてくれた、「Il forno di Gerasimo」というパン屋さんに入り、イートインコーナーで、パリパリした生地にホウレンソウのような野菜が入っているパイを食べた。ギリシャのこういう軽食は、なかなか美味しいのである。

このパイが€3で、カプチーノが€3。気軽にランチを済ませるなら、おすすめのお店である。

イタリア語がわかる方ならピンとくるように、お店名からしてイタリア語で、店内のメニューもイタリア語で書いてあった。とはいえ、出てくるパイやデザートは、ギリシャを代表するフードなのである。なぜイタリア語なのかは不明であった。

姉が、このお店のホームページには、ペトロスが来店している写真が載っていたと言うので、ペトロスが来ないかな~と出入り口をキョロキョロ見ながら食べたが、ペトロスは来なかった。

ペトロスというのは、ミコノス島の名物ペリカンである。どうしても会いたいということはないが、できることなら会いたい。それがペトロスなのだ。

さて、お腹を満たしたところで、ミコノス・タウンをとことこ歩こうではないか。

ミコノス・タウンは、このように、白くて狭い路地がずっと続いている。いかにもリゾート地という感じで、歩道も歩きやすく整備されているし、白い外壁もよく手入れされていてキレイである。

ミコノス島

運動会みたいな華やかな雰囲気の広場に出たが、ここは教会である。観光地では、教会も派手だなあ。だが、こんなに浮かれた外観なのに、ミコノス島の教会も、中からお祈りの声が聞こえることがあった。信仰とは、静かで落ち着いた場でのみ行われるとは限らないわけだ。

ミコノス島

ミコノス島は、猫が多い島だと聞いていたが、さっそく見つけた、昼寝中の猫ちゃんたち。近づいても、起きもしなかった。ミコノス島は平和。

町並みを見ながら歩いていると、あっという間に海にたどり着いてしまった。「ミコノス・タウン、ちっさい!」

ミコノス島

ミコノス島

海ギリギリのところに立っている、このポストが気に入ったよ!地元の人たちが、海沿いを散歩するついでに、手紙を投函するのだろうか。

ミコノス島

海沿いに建っている、セント・ニコラス教会。白地に青い丸屋根の教会は、エーゲ海の島々を象徴するような風景だ。

それにしても、ミコノス・タウンの中にいる時は何ともなかったのだが、海沿いに出てくると、非常に風が強い。ミコノス島やサントリーニ島の周辺は、風が強くて、船がよく運休になってしまうと言うが、確かにすさまじい風である。

ミコノス島

あんまり風が強いので、風よけのためにも、セント・ニコラス教会の中に入ってみた。内部は新しい感じであるが、旅人でも地元の人でもウェルカムな雰囲気の、明るい教会である。

しかし、風が強いなあ。風にあおられながら、気持ちペトロスを探しながら、海沿いをパラポルティアニ教会の方へと向かった。

すると、現れたのは、たくさんの猫ちゃんたち。

ミコノス島

あらまあ。本当にミコノス島は猫島なのね!しかも、ミコノス島の猫ちゃんたちは、人間にご飯をもらい慣れているらしく、「ニャーン」と鳴いて、人なつこく寄ってくる子が多い。

ミコノス島

その中で、微動だにせず、我々にガンを飛ばしている彼。カメラを向けても、鋭い眼差しで、視線をそらさない。ボス猫かな?か、かわいくな…イヤ、世界中の全ての猫はかわいいだよ!(猫派としてかろうじて絞り出したセリフ)

姉はこの猫を気に入って、「お兄」と呼んでいた。お兄は、次の日にこの辺を通りかかったときも、ほぼ同じ所に鎮座して、相変わらず世界にガンを飛ばしていた。

ミコノス島の海沿いは本当に風が強く、風のせいで体感温度が寒く感じる。3月のミコノス島では、薄手の格好で十分なのではないかと思っていたのだが、ダウンコートが手放せなかった。誤算だった。昨日のアリタリア航空も極寒だったし、この辺で、我々は寒さにじわじわと蝕まれてたのだなあ(後に風邪を引きます)。

そして、風に吹かれながらたどり着いた、パラポルティアニ教会。

ミコノス島

あらやだ、カワイイ!目の前の黒猫ちゃんと、赤い車が、白い教会を際立たせているね!

実は、私がミコノス島に行きたかった唯一の理由が、このパラポルティアニ教会を見たい!だったのだ。何年も前に、写真集でこの教会を見て、真っ白でオバケみたいでカワイイっ!と思い、以来、「オバケ教会」と呼んで、恋い焦がれていたのだ。

パラポルティアニ教会

空模様を見てもらうとわかるように、この時間帯は雲が多かった。オバケ教会が、青空に映えている姿が見たいのになー。

姉が「どうせ、ミコノス・タウンはちっぽいし、何度でもココには来れるだろうから、天気がいい時に出直そうよ」と言う。姉の言うとおり、我々は、たった1泊2日の滞在で、このパラポルティアニ教会前に、あと4回も現れたのであった。

ミコノス島

オバケ教会前をほっつき歩いていた猫ちゃん。やっぱり猫ちゃんってのはこんな感じだ。さっきのボス猫お兄はあんまりだ。