ミコノス島旅行記1 息もつかせぬオリンピック航空

2017年3月2日
オリンピック航空でミコノス島へ

昨晩、成田からアテネ空港に到着したのが、深夜1時。お風呂に入ったり何やらして、床についたのが2時半頃。

今日は朝9:50の飛行機で、ミコノス島に飛ばなければならない。空港の目の前にあるソフィテル・アテネ・エアポートに宿泊したので、ギリギリまで寝ていられるとはいえ、9時前にはホテルを出たいので、7時半には起床した。

アテネ空港

おはようっ!ギリシャの朝っ!

ソフィテル・アテネ・エアポートの朝ごはんは、美味しいことで有名なのだが、何せバタバタと出て行くので、今回も朝ごはんはつけないプランにした。残念ではあるのだが、朝ごはんは€25もするので、残念ではあるのだが、何せ€25もするので…

万が一でも寝過ごさないように、8時にはモーニングコールをお願いしていたが、モーニングコールが鳴った時には、我々は既に起きていた。優秀である。受話器を取って「Hello!」と呼びかけてみたが、モーニングコールは自動音声であった。我々は、モーニングコールサービスがあるような大型ホテルに宿泊するのはマレなので、不慣れなのである。

昨晩1時過ぎに着いたかと思ったら、もう翌朝の9時前にはチェックアウト。ソフィテル・アテネ・エアポートには、二度目の宿泊なのだが、一度目も同じような滞在だったため、二度も宿泊して、このホテルで過ごした時間は、まだ20時間にも達してないと思われる。

今回、ミコノス島は1泊で、明日にはまた、飛行機に乗ってアテネ空港に舞い戻ってくる。ソフィテル・アテネ・エアポートは、1日ならスーツケースを無料で預かってもらえるという噂があったのだが、フロントで聞いてみると、そのようなサービスは無い、と言われた。ソフィテル・アテネ・エアポートが属しているアコーホテルズの、上級会員のみのサービスなのかもしれない。

ミコノス島へは、「オリンピック航空」という、いかにも平和の祭典的なネーミングの航空会社のフライトを使う。ギリシャの島々を飛び回っている飛行機には、オリンピック航空とエーゲ航空があるが、この2社は、完全に統合したらしく、どちらのサイトでフライトを探しても、同じ便が出てくる。

搭乗手続きは、まずは自動チェックイン機で航空券を出した後に、荷物を預けるという順番である。自動チェックイン機は、3年前にサントリーニ島に行ったときはかなり手こずった思い出があるのだが、今回は、二度目ということもあってか、スムーズに済ませることができた。

オリンピック航空・エーゲ航空の航空券代は、最安値の格安切符を購入すると、機内預けするスーツケース代を別途払わなければならない。

3年前は、このスーツケース代を空港で支払ったため、あっちこっち窓口を移動させられたが、今回はオンラインで支払いを済ませていたためか、空港での手続きがスムーズであった。

この後は、チケットのバーコードを改札にかざして搭乗口へ入場→保安検査→ゲートへ移動という流れである。

アテネ空港

アテネ空港は盛大なる工事中であった。もしかしたら、数年後に来たら、美しく生まれ変わっているかもしれない。

アテネ空港

この便で、ミコノス島に行くよっ!よく見ると、オリンピック航空のロゴは、五輪ではなくて、六輪になっている。何でだろう。著作権的な問題であろうか。

オリンピック航空の機体は、なかなかかわいいじゃないのよ。

オリンピック航空

だが、中は、もっさりしていた。外側だけかわいくて、中身がテキトーなのはよろしくないね。オリンピック航空は、人というものは、かくあってはならないと、反面教師として教えてくれているのだね。さすがギリシャ。哲学発祥の地(関係ねえから)。

アテネからミコノス島までは、わずか40分である。40分って、東京都心とかだと、通勤時間程度の所要時間である。

離陸後しばらくして、平行飛行が始まったかと思うと、すぐにキャンディが配られた。たった40分のフライトなので、このキャンディでサービスは終わりかなと思っていると、まさかのドリンクサービスが始まった。たった40分なのにですよ!

案の定、CAさんがドリンクを振る舞っている途中に、シートベルト着用のサインが点いて、機体は着陸態勢へと入った。まだドリンクを配っているのに、「テーブルの位置を元に戻してください」のアナウンスが流れている。これはいったい…。

もう着陸するんだから、飲み物など要らないのに、そこはギリシャ人、真面目に最後まで配るのである。テーブルが出せない乗客に、手渡しで飲み物が入った紙コップを渡すCAさん。姉も私も手で受け取って、着陸の時に揺れてこぼれたらイヤだな、と思い、一気飲みした。オレンジジュースの一気飲み。

これでさすがに終わりかと思ったら、CAさんは、慌ただしくクッキーを配り始めた。いや、もう着陸ですから。さすがに食べる時間ないですから!でも、せっかくもらったので、ポケットに入れて持って行ったさ。

昨晩、あまり睡眠時間が取れなかったので、飛行機の中では眠ろうと思っていたのだが、サービス攻撃で眠る暇を与えなかったオリンピック航空!しかし、この怒濤のサービスで、ミコノス空港に着いた頃には、何だか目が覚めていた。

ミコノス島は、サントリーニ島と並ぶ、エーゲ海観光の人気の島である。空港も、リゾート的な雰囲気が漂っているかと思っていたが、ちまっとした空港であった。いくらオフシーズンとはいえ、活気がなさすぎる気がする。それとも、夏は、観光客があふれて、雰囲気もガラッと変わるのだろうか。

ミコノス島の空港は、地図で見ると、ミコノスタウンまで歩けなくもなさそうな距離に見えるのだが、実際に歩くと相当な時間がかかるらしい。だが、空港とミコノスタウンを結ぶバスの便数は少なく、冬季は全くいないという情報もある。ミコノス島に飛行機で行く場合は、宿泊するホテルに、空港へのシャトルサービスをお願いしておくのがセオリーである。

ミコノス島で宿泊するホテルは、Booking.comを通じて、予約してある。リゾート観光地のミコノス島は、3月は営業しているホテル自体が少なく、選択肢が狭い中で、レビューの点数が高いホテルを選んだ。

しかし、実はこのホテルには、一抹の不安があった。メールの返信が遅いのだ。1ヶ月前に予約した時から、空港へのシャトルサービスをお願いするメールを3、4回は打っているのだが、なかなか返信が来なかった。日本を出国するまでにメールの返信を受け取ることができず、ちょっとやきもきしながらギリシャへ向かうことになったのだ。

その返信がようやく来たのが、昨日。ギリギリのギリギリだよ。崖っぷちでロックな生き方がカッコイイこともあるけどさ、ホテル業務で、そんなもの求めなくてもよさそうなものだが。

そんなノンビリ対応なホテルなので、シャトルサービスがきちんと空港に来ているか心配だったが、陽気な女性が、我々を見つけて駆け寄ってきた。「ウェルカム~!」。あー、よかった。とりあえず、ミコノスタウンまでたどり着けそうだ。

この女性は、我々が宿泊するホテルを経営している家族の、お母さんであった。大阪のおばちゃんといった雰囲気で、陽気で大げさで、運転中にもよくしゃべる!

「私は日本人が大好きなのよ~!ホラ、日本人って、ビッグイーグルでしょ?イーグル、わかる?(と言って、ハンドルを放して、両手をグワッグワッと羽ばたかせる)私の好きな日本の言葉は、『ビッグイーグルはツメを隠す』なんだけど、日本人はまさにそうよね。あまりしゃべらないの。あなたたちはビッグイーグルよ!それに対して、私たちギリシャ人はよくしゃべるのよー!あははははー!」

この女性の陽気さと同じように、窓の外もよい天気で、青空にミコノス島の海が映えていた。ミコノス島滞在中は悪天候の予報が出ていたが、少なくとも今日はよい天気に恵まれそうだ。

ミコノスタウンには、車が入ることができないらしく、車は、ホテルの目の前ではなく、ミコノスタウンの外側を走っている大きな道路で止まった。

ミコノスタウンは、地中海の古い町には多い、迷宮状の町だと言われるが、車が入れないほどの小さな道が入り組んでいるのだろう。迷宮大好きな私にとっては、ちょっと楽しみである。

ミコノス島

車を止めた車道から、車の入れない、狭い坂道降りて行ったところに、本日宿泊する「HOTEL MATINA」があった。入り口がかわいらしい。この真っ白な建物が、南イタリアの、イトリアの谷周辺の白い村を思い出させる。外壁を白く塗るのは、地中海の強い陽光対策なのだろう。

ホテルのフロントでは、娘さんが出迎えてくれた。我々は、バスタブ付きの部屋を予約していたのだが、バスタブ付きの部屋は、まだチェックイン時間ではないので、準備ができていないらしい。バスタブはないが、代わりに小さなバルコニーがある部屋なら、今すぐ入れると言う。

ミコノス島は、今回、1泊しかしない。さくさくと観光に行きたい気持ちがあったので、バスタブにこだわらず、すぐに入れる部屋に入ることにした。この後4泊するアテネが、バスタブ付きの部屋だしね(しかし、そのバスタブは使えないバスタブであることを、この時の我々は知るよしもないのだ)。

ミコノス島

案内された部屋は、2階で、清潔で明るい雰囲気。ちょっと狭いけど、2人でたった1泊なら、これでじゅうぶん。何せ、オフシーズンとはいえ、1泊二人で€40くらいのお値段だったのだ。

荷物を置いたところで、さあ、1泊だけのミコノス島に飛び出すぞっ!