ミコノス島旅行記4 夕日マジックのリトルヴェニス
ミコノス島の夕日を見る
ミコノス・タウンは本当に小さい。我々は、たった半日の滞在で、既にミコノス・タウンを2周もしてしまった。
なのに、まだペトロスに会えない。ミコノス・タウンの砂浜には、ハトしかいない。何で海辺にハトがいるんだろ。
そんな、ハトたちをぼんやり見てると、一羽だけ、何だか大きい鳥がいるぞ!ついにペトロスを見つけたか!?
い、いや。コレは、どう見てもペリカンではないな。どう見てもアヒルちゃんだな…。何でハトとかアヒルが砂浜をほっつき歩いているのか。もしかしたら、彼ら・彼女らは皆、ペトロスの後釜を狙っているのかもしれんな…。
ペトロスもいないことだし、明日、デロス島(無人島)へ持って行くお菓子でも購入すべく、スーパーマーケットへ行って、ホテルに帰ることにした。我々は、お菓子の準備には余念がない。何でだろう。本当に何でだろうか(そんなにお菓子が好きだろうか)。
で、6つの風車の近くのスーパーに行って、そのまま帰ろうとすると…
路地の間から、6つの風車と、差し込む夕日が何だかキレイだぞ!ちょっと見てみますか?
あらまあ。夕日が加わっただけで、こんなにも幻想的な風景になっちゃうのね!やるじゃん、風車たち!
昼間は、なーんにも考えてないように見えた風車くんが、こうやって黄昏時の光の中にいると、哲学でもしているように見えてしまうのである。
そして、風車エリアから、そっと視線を右に向けると…
何だか、リトルヴェニスの方も、夕日のおかげで黄金色に輝いてるんじゃありませんこと?
そんなわけで、どこから夕日を見るのが一番いいのかわからなかったので、もう少しリトルヴェニスに近い場所まで下りてみた。
バラ色になって、すっかり美しくなってしまったリトルヴェニス!昼間に、私はさんざん「どこがヴェネツィア(=ヴェニスのイタリア語)?」とディスられていたリトルヴェニスだが、夕日ですっかり変身している。リトルヴェニス「綺麗と言われる時は短すぎて~」。
海もすっかり美しい色に染まってしまって。エーゲ海の島で夕日と言えばサントリーニ島だが、ミコノス島の夕日もなかなか美しいじゃないの。
サントリーニは3泊中、美しい夕日は1回しか見れなかったが、ミコノス島はたったの1泊でよいコンディションの夕日を引き当てた。鼻息穏やかにミコノス島に来た我々だが(目的はミコノスではなくデロス島)、ミコノス島との相性は思いがけず良かったようだね。無欲の勝利だね。
海辺で夕日観賞していると、ミコノス島の猫ちゃんたちがニャンニャン寄ってきた。最初は、猫は猫好きを見分けて寄ってきてるんだな、と思ったが、どうも、我々がスーパー帰りのビニール袋を持っているのが原因らしく、この中に猫ちゃん用の食べ物が入っているのではないかと思って、すり寄ってきているようだった。
「エーゲ海の猫島」といわんばかりに猫の多いミコノス島で、猫ちゃんに寄ってきてほしければ、ビニール袋を持っていればよい、という法則を発見したミコノス島の春の夕暮れ。
半分以上が沈んで、妙にノスタルジックな色へと変化した夕日くん。まるで絵のような色合いである。
未確認飛行物体のようになってしまった夕日だが、いやー、空の色きれいね!最高ね!ミコノス島で夕日というのは、そんなに期待していなかったので、大満足だよ!
美しい夕日に大満足したところで、もう暗くなってきたことだし、夕ご飯を食べて帰ることにした。
オフシーズンのミコノス島では、レストランもあまり多くは開いていない。ホテルで、冬季も営業している、美味しいギリシャ料理が食べられるレストランをすすめてもらったので、足を運んだ。
港の近くにある、「Captain’s(キャプテン)」というレストランである。キャプテンと言われると、高校野球好きの私は、坊主頭のしっかりした青年を頭に思い浮かべてしまうが、港町でキャプテンと言えば、船長さんのことであろう。
観光地ミコノス島の、海に面したレストランだけあって、英語メニューも併記されていたため、メニュー選びに苦労はしなかった。
姉が、ミコノス島はソーセージが有名だと言うので、ローカルのソーセージをオーダーしようと思ったら、優しそうなウェイターさんに「すごく辛いからやめたほうがいいですよ」と言われた。お店の人でも、こういう忌憚のない意見を言ってくれるのが、おもしろい。
それで、そのソーセージは止めにしたのだが、この日オーダーしたお皿は、全て当たりだった!
こちらはお魚とワイルドグリーンのサラダ。ワイルドグリーンって、そこらへんの草って意味?しかし、そこらへんの草でも美味しかったのでありますよ。
これは、一番美味しかった、マッシュルームのグリル。あど一皿くらい食べられそうなくらい美味しかった!
こちらは、ローカルソーセージの代わりに、ウェイターさんがすすめてくれた、レモンとホワイトチーズがけのPork Bites(日本語では何と言うのかな?)。ウェイターさんお墨付きなだけあって、美味しかった!下にはフライドポテトが敷き詰めてあるが、ギリシャのフライドポテトは、全くファーストフードの味がせず、美味しいのである。
食事している間、猫ちゃんがお店の隙間から入ってきて、我々のテーブルの真下に座って、食い入るようにこちらを見つめてきた。…うん、ご飯を分けて欲しいだね。
そりゃ、我々は猫好きなので、分けてあげたい気持ちがヤマヤマなのだが、ミコノス島では猫ちゃんに、レストラン内でご飯をあげていいものなのか、ローカルマナーがわからない。
ミコノス島の猫ちゃんたちは、ボランティアさんにしっかりご飯をもらっているようなので、ここで食べないと食いっぱくれるということもないだろうから、ここでは「ごめんね」と言って、ご飯は分けてあげなかった。
ちなみに、この同じレストランで、後日、地元の若い子が、猫に食事を分けてあげているのを見たので、もしかしたらミコノス島ではOKなことなのかもしれない。ただ、猫が嫌いなお客さんもいるだろうから、観光客は真似しない方がよさそうだ。
さて、キャプテンでは、食後にサービスでデザートが出てきた。ギリシャ料理は美味しいけど、デザートは甘すぎて食べられないことが多いので、「食べなきゃ失礼かなー、困ったなー…」と、おずおずと口にしてみると!何と!美味しかったのである!
これは、確か、「ギリシャのプリン」とか言われている…ええと、何かである!(「何か」を知っている人、教えて頂けると幸いです!)以前のギリシャ旅行でも、2回ほどサービスのデザートとして出てきたのだが、私の苦手な、甘すぎる銘菓みたいな味がして、食べられなかったのである。
しかし、キャプテンの「何か」は美味しいよ!ペロッと食べてしまったよ!日本人の口には合わないことも多い、ギリシャデザートを、こんなに美味しく仕上げられるキャプテン、恐るべし。キャプテン、ついて行きます!(実際に、翌日も2回もキャプテンに入った)
外に出ると、すっかり暗くなっていた。セント・ニコラス教会が、夜のライトに照らされて、まるでオモチャみたいにかわいらしい。
おやすみ、ちっぽいミコノス・タウン。たった半日で、3周くらいしてしまったよ。ただし、まだペトロスに会えていないし、会える雰囲気すら漂っていないのが気がかりであるよ…。