アテネ旅行記2 かわいい自分には旅グルメ

タナシスのギロピタ

2017年3月4日アテネ
ミトロポレオス大聖堂
タナシス(レストラン)
カプニカレア教会

アテネの中央市場からアパートに帰ってきた姉と私。時間はちょうど正午ごろ。これから、市場でゲットしてきた野菜で料理するのかと思うだろうが、違うんだな。

姉と私が2回目のアテネで、やらねばならぬことの一つにカウントしていたのが、タナシスの再訪である!

タナシスというのは、アテネの超有名な大衆食堂である。ココで3年前に食べたギロピタが忘れられないの。

タナシスに行く途中で、ミトロポレオス大聖堂に立ち寄った。

ミトロポレオス大聖堂

はじめまして、大聖堂!

実は、3年前のアテネ滞在では、4泊もしたくせに、アテネの信仰の中心であるミトロポレオス大聖堂に挨拶をしていなかった。

姉が、「初めて行く(キリスト教圏内の)町では、最初に大聖堂に挨拶すべき」と、以前言った時、「おお、そうだね!」と理屈抜きで賛同した私。しかし、姉はそのことを一切覚えていない。私が「初めての町ではまず大聖堂に行くべきじゃないの?」と言っても、「ケースバイケースだよ」と、そっけない返事が返ってくるのだ。

アテネでも、姉は「別に19世紀に作られた新しい大聖堂は見なくても…」というご意見であった。ま、そうかもしれないけどさ、大聖堂くらいは見とこうよ、と、強引に姉を引っ張っていった私。

確かに大聖堂は新しい建物って感じで、大きくて威厳があるという以外には、特に東京人の我々には真新しいことはなかった。

格式高い大聖堂らしく、内部は一切の写真撮影は禁止であった。ギリシャ正教の聖堂ということで、内部には多くのイコン(キリストや聖人の絵)が飾られている。

そして、大聖堂に祈祷目的で入ってくるアテネ人は、次々にイコンに、頬をつけたり、キスしたりしている。一つのイコンにキスが終わると、次のイコンへ。カトリック教会では見ることのない光景だ。買い物途中のアテネ人たちが、買い物袋を手に提げて、ぐるっとイコンにキスをして回り、すっと大聖堂を出て行くのが印象的であった。

大聖堂を出たら、まっすぐにタナシスに向かうよ!

3年前にタナシスへ行った時は、タナシスの手前の店が、一生懸命客引きしていた。また客引きされるかなあと思っていたら、客引きの人がいない。そして、よーく看板を見てみると、「手前の店もタナシスになっている…」。

一生懸命客引きしたにもかかわらず、結局タナシスにお客さんを取られる一方で、最終的にはタナシス化してしまったらしい…。世知辛いのか、それとも結局この方が幸せなのか…。

タナシスは、店舗が拡大したおかげか、混雑はしていたが、空いているテーブルはあった。座ったら、すぐにギロピタを注文!

タナシスのギロピタ

そう、コレですよ!コレが忘れられないの!生地はもっちもちだし、中の肉と野菜のハーモニーは天国だし!ちなみに、テーブル席に持ってくるメニューには、このギロピタが見当たらないのだが(私が探せてないだけ?)、普通にオーダーできる。これがたったの€2.5!しかも、テイクアウトにしたらさらに安くなるんだよ!

ツザキ

せっかくテーブル席にしたので、何かお料理も頼もうと、ツザキをオーダーした。こちらは€3.6。ツザキは、キュウリをヨーグルトで和えたサラダである。キュウリにヨーグルト!?と思うかもしれないが、美味しいんだ、これが!

あと、ペットボトルの水500㎖をオーダーして、二人で合計€9.3!いやー、タナシスがあれば、安くて美味しいランチにいつでもありつけるのだ。新規のお店を開拓しようという志が、全くない姉と私。

タナシス帰りに、エルムー通りの突き当たりにあるカプニカレア教会が珍しく空いていたので、入ってみた。3年前は、何度この教会の前を通っても閉まっていたのだ。

アテネ

このかわいらしいビザンチン教会。目抜き通りの突き当たりにあるため、いつもアテネ人や観光客が、ずらーっと回りに座り込んでいる。素朴でかわいらしい教会で、いつも人に囲まれているため、幸せそうに見える。

こちらも、中は多くのイコンが飾ってあって、アテネ人がすっと入って、頬をつけて去って行く。外の繁華街が嘘のように、中は神聖な雰囲気であった(内部の写真撮影は禁止)。

カプニカレア教会の背後には、アッティカ・ベーカリーという美味しいパン屋さんがある。

アテネ

ココ!夜遅くまで空いている、便利なパン屋さんである。パンやお菓子、簡単なお総菜も売っていて、日本のパン屋さんに似ている。

今回宿泊したアパートは、朝ごはんがつかないため、明日の朝のパンを購入した。

アテネ

明日のパンのついでに、ギリシャの代表的なおやつ「ハルヴァ(halva)」も買ってみた。姉と私は、ギリシャのお菓子は、グリークヨーグルト以外は、甘すぎて舌に合わないことが多い。姉は「アンタ、本当にコレ食べる気?」と、遠回しに私を止めていたが、「かわいい自分には旅でご当地グルメを食べさせよ!」である。

翌朝、朝ごはんと一緒に食べてみたのだが、このアッティカ・ベーカリーのハルヴァは食べやすかった!立地が立地だけに、観光客でも食べやすい、ソフィスケイトされた味に仕上げているのかもしれない(ソフィスケイトは最近の私の流行語)。

ちなみに、ギリシャで混乱したのだが、ハルヴァには、固形のものと、プリン状のものがあるようだ。時々、レストランのおまけデザートで出てくる、ヨウカンをツブツブにしたようなデザートも、ハルヴァと呼ばれる。ちなみに、このプリン状のハルヴァは、おい…し…く…ない……ことが多いよっ!(食べ物の悪口は控えめに)

そしてエルムー通りをシンタグマ広場方面へと、アパートにパンを置くために戻っていると、クルーリーの屋台に出くわした。

アテネ

エルムー通りという、繁華街にあるためか、このクルーリーの屋台は、アテネ人にいつも取り囲まれている。

地元の人が集まっていると、「何か美味しいものがあるんだろうな」と、磁石のように吸い寄せられて、列に並んでしまう姉と私。たった今、アッティカ・ベーカリーでパンを買ったばかりだが、それが何だというのか。

クルーリーは、ごまが振ってあったり、チョコレートが挟んであったり、ピスタチオが生地に練り込んであったりと、いろいろな種類がある。こんな風に、雑踏の真ん中に、ラップもされずにドンっ!と並べてあるのが無骨でギリシャ男児的である。

で、パンとクルーリーを抱えて、いったんアパートへ戻った。宿泊しているアパートは、エルムー通りの、一本北側の通りだ。アテネのど真ん中に宿泊すると、やっぱりかなり便利だ。以前のアテネ滞在では、アクロポリス近くに宿泊したが、「便利」という観点だと、やはりエルムー通り周辺、それもできればシンタグマ広場寄りがよい。

さて。これから今日はどうするか、と言うと、「リカヴィトスの丘」に登ってみようということになった。アパートで一休みしてから、またすぐに飛び出した。

本日は非常に天気がよい。姉が「リカヴィトスの丘に登る前に、アパートのすぐ近くに美味しいジェラート屋さんを調べてあるから行こうよ」と言う。私「えー。ジェラートと言えばイタリアじゃない?」。姉「アンタ、イタリア以外でジェラート食べちゃいけないってこともないでしょうに」。そうね。姉が正しい。

というわけで、ジェラート屋さんに行った。

アテネ

ミトロポレオス通りにある「LE GRECHE」。イタリア語で「ギリシャ人たち」とかいう意味の、意味不明な店名。看板の下にもイタリア語が書かれている。イタリアン・ジェラートのお店というわけね。

私はピスタチオ味、姉はラファエロ(ホワイトチョコレート味)というフレーバーを選んだ。

アテネ

ひとつのフレーバーが選べる小さなカップで€2.7。姉がオーダーしたラファエロの方には、こんもりとクリームが乗せられているが、これだけのクリームを無料でトッピングしてもらえる。

味は…上品で、期待以上に美味しかった!確かに、ジェラートはイタリアでしか食べちゃいけないってことはないね!ギリシャといえば、ヨーグルトバーが有名だが、「アイスクリームも食べたい!」という場合には、おすすめのお店である。

ええと。姉と私は食べてばっかりいるような気がするが、気のせいだろうか。

大丈夫、今から丘に登るんだから、今までのカロリーは消費するよーっ(実際、消費した)!旅行のいいところは、食べ過ぎても、それをすぐに消費できることだね。てへ。

ていうか、生物って、食べては消費し、消費しては食べるという、非効率的な一生を送るよなー。ものすごくものすごく遠い未来には、自家発電できるような生き物が現われるのだろうか。しかし、自家発電できるようになるまでは、外からエネルギーを取り込まなきゃならないよな。哲学でも何でもない話なので、終わり。