3/15ペスカーラからフェラーラへ アドリア海のデジャヴ

本日はペスカーラを発って、さらにアドリア海を北上し、エミリア・ロマーニャ州のフェラーラまで移動する日である。11時のフレッチャを予約しているので、少しゆっくりした出発である。

宿泊したB&Bは、チケットを持って行き、朝食をバールで取る方式である。まだ朝食を食べたバールを紹介していなかった。

ペスカーラのバール

朝食を食べたバールは、ピンク色の女子力が高いバール!だが、バリスタさんは若い男性であった。イヤ、これは、女子力高いバールにしておいて、若い男性店員を置いて、女子の集客を狙う作戦であるな?

イタリア式朝食は、カプチーノと甘いパンの組み合わせである。イタリア人はあまり朝食を食べないので、イタリア式のバール朝食は物足りないという人もいるが、このバールはかわいらしいだけでなく、味も美味しく、大満足であった。確かに、少し量は少なかったが、今日は企んでいることがあるので、少なくても全然OKである。

昨日、他の女性客が、「カプチーノ・ディ・ソイア(=豆乳で作ったカプチーノ)」をオーダーしていたので、まねっこして、私も豆乳入りカプチーノを頼んでみた。

日本のカフェで、一度豆乳コーヒーを飲んだら美味しくなくて、それ以来豆乳コーヒーは避けていたのだが、ここで飲んだ豆乳カプチーノはたいへんに美味しかった。これからはイタリアでダイエットが気になるときは、豆乳カプチーノをオーダーすればよいね!

さて。姉と私が、何を企んで「朝食は少しでいい」と思っていたかというと、ペスカーラには、ぜひ食べてみたいクリームパンがあるのだ。

ペスカーラ

「Cremeria bresciana」というお店の生クリーム入りパンである!「Cremeria」というのは、「クリーム屋」というような意味だから、クリーム専門店!?

実は、ペスカーラでは、宿泊するホテルの候補がもうひとつあった。そこの朝ごはんに、ここの生クリームパンが出てくるということで、写真を見たら、かなりそそられた。生クリームパン食べたさに、こっちのホテルにしようかと、姉と話し合ったほどだ。

しかし、二人のうちのどちらかが気付いた。「生クリームパンは、別で食べに行けばいいじゃん」。本当にその通りだよ。ということで、駅に近い立地が便利な方のホテルにして、生クリームパンは別に食べに行くことにしたのだ。別っていつ?今だよっ!

お店の中は、老舗という感じで、特別オシャレな感じもなかった。ショーケースを見回しても生クリームパンが見当たらないので、カウンターにいた女性に、「あの…クリーム入りのパンを食べたくて来たのですが…」と言ってみると、パンを出してくれた。おうっ!本格的っ!クリームはオーダーしてから詰めるんだね!

「クリーム(イタリア語ではcrema)を詰めますか?」と言って、カスタードクリームを指さす女性スタッフ。あ、そうだった。イタリア語では「crema」というと主にカスタードクリームを指し、生クリームを指す言葉は…panna(パンナ)!ジェラート屋さんでコン・パンナしてもらう時のパンナ!

というわけで、無事にパンナ(生クリーム)を詰めてもらった。

ペスカーラの生クリームパン

見よっ!この、ダイエットの敵のようなたっぷりの生クリームパン!

イートインコーナーで、こぼれんばかりの生クリームを、大きな口を開けてほおばる我々。見た目よりずっとあっさりしていて、特にパン生地の方は全然甘くないので、クリームをしっかり味わうことができた。もっと庶民的なB級グルメを想像していたのだが、非常に品のある味わいであった。

ペスカーラ

ペスカーラの町は、本当にオシャレで現代的。大きくてきれいなスーパーマーケットもあり、ペスカーラはたった2泊で自炊をしなかったので、姉が「こんな素晴らしいスーパーがあるんだったら自炊にしても良かった!」と、悔しがっていた。姉はどうしてこんなにスーパーが好きなのであろうか。

最近、旅での食べ物をゲットすることに余念のない我々は、テキトーな昼ご飯を食べたくなくて、町中のお総菜屋さんで、特急電車フレッチャの中で食べるパニーニを作ってもらい、パック入り総菜もゲットした。ヨシ、これで抜かりなくフレッチャに乗れるな!

駅前のB&Bに戻り、待ち合わせをしていたオーナーさんに宿泊代金を払って、チェックアウト。「これからどこに行くんですか?」という彼に、「フェラーラです」と答える我々。

オーナーさんは困惑気味に「フィレンツェやヴェネツィアには行かないのですか?」と聞く。「どちらも行ったことあるんですよー。また行きたいですけど」と答えると、何だか妙に納得していた。おそらく、「何でこの人たちどう見ても観光客なのに、マイナーなペスカーラに来たのかと思ってたけど、イタリアのリピーターさんなんだな」と、腑に落ちたのだろう。

宿泊したB&Bから鉄道駅までは真っ直ぐな道を5分も歩かないくらいだ。本当、便利な場所に宿泊したなー。

ペスカーラ駅

ペスカーラ駅の構内をまだ紹介していなかった。駅構内も広くて明るく、日本の鉄道駅とあまり変わらない。「ぶりっ子カフェ」があるのが可笑しい。使う機会がなかったが、一度くらいぶりっ子カフェのエスプレッソを飲んでみればよかった。

どうでもよいが、ぶりっ子とは、古今東西問わず女性の敵のはずなのだが、なぜ絶滅しないのか不思議である。女性の敵ではあっても男性の敵ではないのだろうな。人類の半分は敵でも、人類の半分が味方なら生き残ると言うことだ。ぶりっ子の話終わり。

ペスカーラ駅

イタリアの、特にTrenitaliaのインフラは最近、本当に進みつつある。ペスカーラ駅も、エスカレーターがあって便利であった。その向こう側は、大きな本屋さんが入っている。50%引きセールをしているよ!イタリアでは本を割引価格で販売できるんだなあ。日本の新刊本は、割引できないという協定があるらしい。

ペスカーラ駅

11時11分のフレッチャで北上するのだが、5分遅れている。村上龍の「5分後の世界」を思い出すなあ。5分の遅れなど遅れに入らないような生活をしているイタリア人からしてみると、世界は5分遅れたぐらいでは変わりやしないよって感じだろう。我々が乗るフレッチャはヴェネツィア行きらしい。今回、ヴェネツィアの結構近くまでは行くのだが、再訪はおあずけだ。

ペスカーラ駅

目の前にかわいい電車がいたのでパチリ。本当に、最近のTrenitaliaは、いろんなものがソフィスケイトされてきた。Trenitaliaは何を企んでいるのだろうか。姉いわく「だから、いろんなものがたまたま今新しいだけだってば」。

フレッチャルジェント

我々が乗るフレッチャビアンカがやってきた。フェラーラまでは、3時間ちょっとの旅である。

ペスカーラ

ペスカーラの総菜屋さんで買ってきたランチである。

ペスカーラ

総菜屋のおじさんにおまかせで作ってもらったパニーニと、ズッキーニのきのこのマリネ。パニーニを作ってくれたおじさんは、不愛想だったが、彼の生ハムとチーズのチョイスはおいしかった。マリネの方もあっさしていて食べやすい。日本ではあまりマリネが好きではないのだが、イタリアで食べるマリネは実に私の舌と相性が良い。日本で食べるマリネは酢が効きすぎてるのかなあ。

さて、ここからフェラーラまでは、一度降りたことのあるマルケ州の町を通っていく。

アンコーナ

アンコーナ。2014年の旅行で、ギリシャから船で入った町である。あの時も船が遅れて、アンコーナ観光が全然できなかったんだよなあ。船というものは実に信用できない乗り物だぜ。でも好きなんだぜ。

アドリア海

天気がよく、ご機嫌なアドリア海。地中海ブルー。

ペーザロ

ペーザロ。アンコーナからウルビーノに行くときに、経由した町だ。お上品な海と音楽の町なのだが、ここも、まだ通っているばっかりで、まだしっかり見ていない町だ。

リミニ

リミニ。今回は、リミニに行く案もあった。フェラーラから日帰りで行けなくもないのだが、おそらく他の町の方に行きたいので、今回はパスだろうな。リミニには、いつか見てみたいルネサンス式の大聖堂がある。あと、カエサルが「賽は投げられた」と言ったとか言わないとかのルビコン川も、近くを流れているらしい。

ボローニャ

そしてボローニャ。ボローニャには3泊したことがあるが、ボローニャ大学や、サン・ルカ聖堂など、忘れ物もたくさんある。ま、いつか必ずパルマ・モデナに行きたいので、再訪できるハズ!おもしろかったのは、ここボローニャに着いた時には、出発した時の5分遅れを取り戻していて、定刻運転になっていた。

エミリア・ロマーニャ

ボローニャを過ぎると、いかにもエミリア・ロマーニャ州と言う感じの平原が続くようになった。しかも、いかにもエミリア・ロマーニャという感じでもやがかかっている。冬のエミリア・ロマーニャ州は、湿度が高く、雨の降る日、霧・もやが出る日が多い。そういえば、ラヴェンナでも雨が降っていたし、ボローニャに滞在した時も雨がちな日が多かった。

フェラーラ

そしてフレッチャはフェラーラに到着。今回の旅の終着点っ!

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