3/14スカンノ~ヴィッララーゴ~アンヴェルサのBBI三連発のバス車窓!

アブルッツォ州を、山から海へと向けて帰ることとなった。

スカンノ旧市街前のバス停へ行くと、バスが待機していた。念のため「スルモーナ行きですか?」と聞くと、「スルモーナ、スルモーナ!みんなみんなスルモーナに行くよ!」と運転手さんは陽気に答え、なぜだかバス内のおじさんおばさんは、皆でワッハッハと笑っていた。

それで、このバスに乗っていたおじさんおばさんもスルモーナに行くのかと思いきや、バスが出発する直前に、チャオ~と言ってバスを降りて行った。単に、この運転手さんとバスの中でおしゃべりをしていただけのスカンノ人だったらしい…。

スカンノからスルモーナまでバスで1時間、スルモーナからペスカーラまで電車で1時間。スカンノからペスカーラまでのトータルの時間は、乗り換え時間まで含めると、2時間半くらいかかる。

実は、スルモーナとスカンノの間のバスからの車窓は、結構スゴイのである。行きのバスで既に我々は興奮していたのだが、この帰りの行程でまとめて紹介しようと思い、出し惜しみしていたのだよ…。

スカンノ

まずは、バスの車窓から、遠ざかっていくスカンノの風景が見える。スカンノの全景は、「写真家の道」からも見えるのだが、ここまでバスで来ると、もっと正面から、三角屋根勾配が並んでいる様子が見えるのだ!

姉「スカンノの景色ってさあ、バスから見るのが最強じゃない?」。うむ、確かに。時間があれば、バス通りを歩いて、この角度でスカンノの町が見えるポイントまで来てもよいかもしれない。しかし、バスの中から、姉はよくこの写真撮ったなあ。

スカンノからバスは5分ほどで、まずはスカンノ湖畔を通る。

スカンノ湖は直径1㎞ほどあり、スカンノ旧市街よりも大きな湖である。真上から見ると普通の形に見えるのだが、ある展望ポイントから見ると、ハートの形に見えることで知られている。3月には静まり返っていたが、夏には水浴客であふれるリゾート地になるそうだ。

スカンノは「イタリアの最も美しい村(I Borghi piu belli d’Italia…略してBBI)」に登録している村であるが、スルモーナとの間には、さらに2つ、BBI登録の村がある。

ヴィッララーゴ

まずは、ヴィッララーゴ(Villalago)。イタリア語で「湖の館」という意味になる町名だ。湖?スカンノ湖のこと?とお思いになるかもしれないが、あの子はスカンノ湖。スカンノの町とセットである。

ヴィッララーゴが面しているのは、サン・ドメニコ湖という湖である。

サン・ドメニコ湖

うわあ!何これ!ちなみに、この写真は時系列的欺瞞で、行きに撮った写真。時間帯がお昼過ぎだったので、太陽が高い場所にあり、水がかなりきらめいている。

このサン・ドメニコ湖のほとりには、サン・ドメニコが修行したと伝えられる洞窟があり、祠や教会が建っているらしい。バスの窓からはちらっとだけ見えた。

ヴィッララーゴ

車窓からの画像なので、粗くて申し訳ないが、ヴィッララーゴの町は、湖の上の方にそびえている。バスを降りたくて仕方がない。こんな時に、ふっとバスを降りられるような、自由気ままな旅をいつかやってみたいものだ。そのために必要なのは、丈夫な体と、経済力と、コミュニケーション能力。まだまだどれも足りないなあ。

ヴィッララーゴを過ぎると、結構スサマジイ山道が続く。

アブルッツォ州

右隣が断崖絶壁な件…。運転手さん、慎重な運転をお願いしますぜ…。

アブルッツォ州

アブルッツォ州の山は、同じ中部イタリアのトスカーナやウンブリアとは全く違う。トスカーナやウンブリアは、穏やかで緑なす山と言うより丘って感じの風景だが、アブルッツォ州は無骨で荒々しい、まさしく山の風景である。しかし、谷の下の方に、小さく歩道が見えている。羊飼いの道だろうか?それとも地元の人たちが歩くのだろうか?

しばらくすると、右手の上の方には、カステルヴァルヴァの集落が見えた。昼間に訪問した、BBI登録の村アンヴェルサの離れ集落である。バスの車窓だと一瞬しか見えなかったが、何かスゴイ所に住んでるな、という感じの集落であった。

アンヴェルサ

それから、昼間に訪問したアンヴェルサの全景が見えた。アンヴェルサもスカンノ同様、全景を見るならバスの車窓が一番かもしれない。アンヴェルサの町からこのポイントまで歩いてくることは可能だろうが、車道だからちょっとコワそうだしなあ。

それにしても、アンヴェルサには行っておいてヨカッタ!この素晴らしい全景を見たら、「バス降りて町を歩きたいーーー!」と、駄々こねたくなるような町である。本当、行っておいてヨカッタ。

アンヴェルサ近くのトンネル

アンヴェルサの近くでは、こういう何だか原始的な感じのトンネルを通る。トンネルをくぐって、アンヴェルサの町に近づき、また遠ざかっていく。

アブルッツォ州は、BBIに登録されている村の数が多い。今回いくつか見た感じでは、アブルッツォ州のBBI登録の町はかなり面白さがあった。パチェントロとか、オーピとか、行ってみたい他の村もたくさんあるので、アブルッツォ州、いつかまた来ることになりそう!

アブルッツォ州のバス

乗っていたバスの椅子の背もたれに「ユヴェントス、××ったれ!」の落書きが。ユヴェントス大嫌いといえば、フィレンツェのフィオレンティーナファンだけど、このアブルッツォ州周辺の人たちは、どこのサッカークラブを応援しているのだろうか。

スルモーナ

スルモーナの鉄道駅まで帰ってきた我々。私が風邪ひいてなければ、スルモーナの市街地の方で降りて、ちょっと市街地を見物しながら、駅まで2㎞くらいの距離を歩くところだったが、ようやく治りかけてきている風邪がぶりかえさないように、良い子に鉄道駅まで帰ってきた。

スルモーナ駅には、小さなバールが入っているので、電車待ちの間はバールで休憩。良い子にスルモーナまで帰ってきたので、ペスカーラには遅くなりすぎないうちに帰りつきそうである。

ペスカーラへ帰る電車は、数分遅れでやってきた。

スカンノのパン・デル・オルソ

電車の中で、スカンノでギリギリでゲットした、スカンノ銘菓「パン・デル・オルソ(クマのパン)」を食べることにした。チョコレートでコーティングしてあるスポンジケーキである。

スカンノ銘菓のお味は…ええと、ちょっとスポンジ部分がパサパサしていた。パサパサしたスポンジ生地を、チョコレートでコーティングしたら、こういう味になるよね、という味であった。つまり、美味しくなくはなかった。銘菓ってこんなものだよ!我々の故郷鹿児島の銘菓かるかんも、こんなものよ。

キエーティ駅

ペスカーラまで帰る電車は、レジョナーレ・ヴェローチェ(RV)という、急行のような電車だ。RVは、普通電車のレジョナーレ(R)よりずいぶん早く着くのに、指定席代金がいらないため、レジョナーレと同じ運賃で乗れるスグレモノの電車である。

スルモーナからペスカーラまでは「キエーティ(Chieti)」という駅にしか停まらないため、スイスイであった。

電車はほとんど定刻通りにペスカーラに着いた。片道たった2時間程度で、あんな山深い場所から、海辺の町に帰ってこれたのが、何か不思議なような気持ちになる。

ペスカーラ駅

ペスカーラ駅のすぐ前には、小さな遊園地がある。山奥から町へ戻ってきたなーという実感が沸く。

それにしても、まじめに帰ってきたから、かなり明るい時間帯に帰ってこれた。もう少しアブルッツォ州の山中を楽しみたかった気もするが、またアブルッツォ州には行くから!今のままの美しい君で待ってておくれ、アブルッツォ!

3/14ペスカーラ旅行記2 海辺の町の海の幸へ続く

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