3/17ボローニャ旅行記5 飛び出せ!ポルティコ・ランキング

本日は、ボローニャ最終日…て言うか、イタリア旅行2013の実質観光ができる最終日っ!最終日だから、本当は悲しいよ!でもまだ旅行が終わったわけじゃあないんだから、テンション上げて行くよっ!

とは言っても、昨夜は遅くまでサッカー観戦をしていたので、今日はゆっくりめに起きた。まだまだボローニャは堪能し尽くしていなくて、今日残りラスト一日で制覇するのはまず無理だろう。やっぱりボローニャ三泊というのは短すぎたようだ。その三泊の間に、モデナとかフェッラーラに行ってやろうなんてとんでもない儚い夢だったようだ。

母が、今日は最終日なので、ボローニャが本場のブランド「FURLA」の店舗に行きたいと言う。姉が母に付き添ってくれるというので、姉のお言葉に甘えて、二人がお店に行っている間、宿泊していたB&Bのすぐ近くにあった、赤い教会にぶらりと行ってみた。

ボローニャ

おそらくChiesa del Santissimo Salvatoreという名前の教会。Cesare Battisti通りにある。ボローニャには、こういうふうに、正面ファサードが赤色の教会がいくつかあり、目を引く。赤いボローニャの象徴のようでかわいらしい。

ボローニャ

四福音記者の像が、正面に飾ってある。鷲さんを連れているのが、イケメン福音記者として名高いヨハネである。

中ものぞいてみたのだが、日曜のため、ミサがたけなわに行われていた。そうだよなー。日曜日の午前中は、教会はミサが行われていることが多いんだよなあ。ミサが行われている時は、中に入っても追い出されることはあまりないのだけれど、やはり観光は憚られるので入場しなかった。

この教会の前でぽーっとしていると、姉と母が歩いてきた。「日曜だからか、FURLAは閉まってたよー」。こちらも日曜だからミサで入れないよー。イタリアの日曜の過ごし方ってのは、時々、こうやってつまずくことがある。

地図を見ると、この教会の西側の方に、私が「古いゴシック」とメモしてある、サン・フランチェスコ教会なる教会がある。こちらも日曜なので入れるかどうかはわからないけど、すぐ近くだから行ってみた。

ボローニャ

どどんとでっかいサン・フランチェスコ教会。だが、やはり、ミサ中であった。それにしても、イタリアには、サン・フランチェスコ教会と言う名前の教会は多い。サン・フランチェスコが、イタリアという国全体の守護聖人だから、至る所にあるのはまあ仕方がないのだが、フランチェスコという名前そのものは、もともと「フランス」とかそういう意味なので、イタリアの守護聖人がフランチェスコさんなのは、ちょっとおもしろい。

さーてさて。日曜ということで、どこもかしこも安息日(教会はミサしているんだから、むしろ働いてるんですけど!)。とりあえず、結構お昼も近かったので、ランチにすることにした。やることがなくなったわけだから、どりあえず何か食べようぜ!

ボローニャ

入ったお店はこちら。ウーゴ・パッシ通りにある、老舗カフェの「Gamberini」。

中はボローニャ市民でごった返している。イタリアには珍しいくらい、ショーウィンドゥがオシャレで、女子好みって感じのカフェ。テーブル席は、室内もテラスもほぼ満席だったが、テラス席に空きがあったので、そこに座ることにした。

イタリアのバールやカフェは、お店によっていろいろ決まり事が違うのだけど、こういう有名店のテーブル席は、座っていればオーダーを取りに来てくれる。だが、ショーケースで実物を見ながらオーダーしたかったので、母に荷物番をしてもらって、姉と私は、客でごった返している店内へと突撃した。

ショーケースには、パニーノ類やケーキ類がずらーっと並んでいて、珍しい、小さい一口サイズのパニーノというか、惣菜パンのようなものがある。これが、とってもかわいらしかったので、15種ひとつずつ、全部オーダーすることにした。「この小さいのを、ぜーんぶ、一つずつ下さいっ!」。他に、食後のデザートもいくつか頼んだ。「外のテラス席で食べます」と言うと、後で運んできてくれると言うので、テーブルで待つことにした。

ボローニャ

こちらが本日のランチ。小さな小さな惣菜パンがかわいいったらありゃしないっ!

15個の小さな惣菜パン。これを3人で食べるので、ひとりあたま5つずつ。全て違う15種なので、平等に食べたいものを分けなければならない。というわけで、「ドラフト会議inボローニャ」を行うことにした。第一回選択希望選手から、第三回選択希望選手まで、早い者勝ちのウェーバー方式。家族ケンカなく分け合うことができたよ!家族平和バンザイ!

旅先で本当にくだらないことをしている我々だが、この小さな惣菜パンは、かわいらしいだけでなく、とても上品で美味しかった。デザートに食べた、ボローニャの銘菓だとお店の人におすすめしてもらった、長方形のライスケーキも美味しかった!だが、ライスケーキは、姉はあまり口に合わず、好き嫌いが分かれるケーキだった。コーヒーも美味しかったし、この老舗カフェの「Gamberini」はかなりオススメ!

さて。ランチを食べたあとなのだが、食べたそばから、ディナーの予約をしに行くことにした。というのも、本日は日曜日。ボローニャのレストランは、日曜日が定休日であるお店が多い。そのため、営業している人気店には、客が殺到するのではという危惧があったため、念のため予約しておこうということになったのである。

日曜日も営業している、数少ない人気店の一つがマッジョーレ広場近くの「Montegrappa da Nello」。B&Bのオーナー・ケッティもおすすめしていたので、ここの予約を取ることにした。

お店に入り、レジにいたお兄さんに「今夜7時、3人予約を取りたいのですが…」と言うと、名前を聞かれたので答えると、日本人の名前はわかりづらいらしく、全くもって私の名前には見えない綴りで名前を書かれた。「あ…ちょっと(いや、だいぶ)名前が違います」と言うと、彼は日本語で、「モンダイナイ、モンダイナイ」と笑って答えた。モンダイナイって言うなら、それでヨシよ。

ボローニャ

こちらは日曜日のマッジョーレ広場。陽気な風船がぷわぷわ浮いているが、その向こう側、建物の壁にあるパネルは、ボローニャの対ナチス・パルチザン闘争の、犠牲者の写真を展示したものである。第二次世界大戦と言うと、もう既に歴史上の出来事という感じがしてしまうが、たった数十年前の出来事。町の一番の中心であるマッジョーレ広場に、戦争犠牲者の写真を展示するのは、ボローニャ市民やここを訪れる観光客へ向けてのメッセージなのだろう。ボローニャという町の信念が表れている場所だ。

さて、この後は、ラファエロ作品を所蔵しているという国立絵画館へ向かうことにした。

国立絵画館へは、「Via Zamboni」という通りを通って行くとにした。この通りは、ポルティコ(柱が立ち並ぶアーケード)がずらーっと続いているボローニャの街並みの中でも、特に雰囲気の良い通りだと言われているからだ。行ってみると、確かに素敵ポルティコだった!

ボローニャ

ずーっとポルティコが続いてるよ!特に、右側の通りのポルティコは素敵である。

ボローニャ

こういう風に、ボローニャの赤色でほんのりと彩られていて、装飾性の高いポルティコである。いやー、ポルティコ気に入ったよ。イタリアの町は、写真で見るよりもずっと素敵な町がいくつかあるが、ボローニャもその一つで、ポルティコがずーっと続いていく町並みは、写真で見るよりもずっと美しい。

ポルティコが気に入った我々は、このあたりから、ポルティコランキングというものを始めた。
~ポルティコランキングの基準~
Sランク…あまりに特殊でレアなポルティコ
Aランク…美しく装飾されたポルティコ
Bランク…普通に柱っぽい柱が並ぶポルティコ
Cランク…ぎりぎりポルティコ

<Sランクポルティコの例>
ボローニャ
今回唯一Sランクを付けられたのは、この古い古い木のポルティコのみ。ボローニャの斜塔近く、マッジョーレ通りの付け根みたいなところにある。

<Aランクポルティコの例>
ボローニャ
「Via Zamboni」のポルティコは、文句なくAランク。美しくて、ちょっと古そうで、雰囲気の良い柱が並んでいればAランクである。

<Bランクポルティコの例>
ボローニャ
一応、柱の美しさをしっかり追求はしているが、Aランクポルティコに比べ、やや装飾性に欠け、「普通の柱」って感じなのがBランク。

…こういう風に順番に紹介していると、皆さま、さあ、次はCランクポルティコ!とお待ちになっているかもしれないが、Cランクは、写真に撮らなかった。だって、ポルティコって、その建物の所有者が、ボローニャの街並みをポルティコでそろえるために、自腹で作っているものなのだ。だから中には、「えっ…これがポルティコ…?」と言いたくなるような、ただの細長い無味乾燥な立方体が、アーケードを支えているポルティコもある。

でもさでもさ、そんなぎりぎりポルティコでもさ、ボローニャ中をポルティコだらけにしようと言う、ボローニャ市民の愛によって作られたものだと思うとさ、何だか愛しいお前みたいな存在(どんな存在だ)に思えてくるんだよ!だったら、ポルティコランキング自体やるなよ、て話なんだが、もうやっちゃったんだよ(開き直る私)!

まあね、ランキングはアレかもしれないですけどね、ボローニャに行ったら、ぜひお気に入りポルティコを探して歩いてみて下さい!私はたった3日間しか滞在しなかったので、今回は「キング・オブ・私のお気に入りポルティコ」の選出までには至らなかったが、次にボローニャに行く時には、キングを選定してみたいと思う。

さて、すっかりポルティコ談義で話が逸れてしまったが、「Via Zamboni」の所まで話を戻そう。

「Via Zamboni」にはサン・ジャコモ・マッジョーレ教会という大きな教会がある。

ボローニャ

「Via Zamboni」からは、こういうちょっとユニークな形で見えるのだが、正面は、この通りに面していなくて、右手の方へ入った道の方である。

ボローニャ

正面部分では、ちょっと笑っているみたいな表情の、かわいいライオン君が出迎えてくれた。…のだが、残念ながら、教会は閉まっていた。やっぱり日曜の教会訪問はダメですな。イタリア旅行で難しいのは、日曜日の過ごし方である。教会は閉まっていることが多いし、かといって、美術館などは、平日よりも混雑する。ということは、やっぱりイタリア旅行の日曜日は、サッカー観戦に行くべきなわけだね!

さて、「Via Zamboni」に戻ろう。

ボローニャ

まだまだ続くよポルティコの道。このあたりは、ボローニャ大学の近くだそうだ。

ボローニャ

何だか、いかにも大学って感じの、きったない掲示板を発見っ!どうして、大学ってこうなんだろ…。こんだけ正月三が日の引き終わったおみくじみたいに紙が所狭しと貼られていたら、もう、どの告知の紙もいっさい目立たず、もはや掲示板の役割を果たしていないのでは…?

この辺りには、こういう投げやりなポルティコも見られた。

ボローニャ
うん、これがぎりぎりポルティコだね。(誰もCランクとは言ってないよ!)しかし、このポルティコ、よく見ると面白いのだ。隣り合った建物どうしで、おそらく協力してポルティコを作っているので、柱の半分は赤色、半分は黄色、みたいなことになっている。ちなみにポルティコ部分っていうのは、私物でありながら、公共空間なのだそうだ。こんな感覚が可能であるのは、市民の一体感があるボローニャという町ならではなのだろう。

大学を過ぎると、国立絵画館へ行くために、北隣の「Via delle Belle Aeti」という通りに向けて左折した。この「Via delle Belle Aeti」は、ド直訳すると「美しい幾つかの芸術作品通り」。…絵画館を思いきし意識した通り名だな…。

「地球の歩き方」では、国立絵画館は、夕方までずっと開いているという情報だったが、いざ行ってみると昼休み中で、午後は2時から開くと書いてあった。2時まであと15分くらいだし、絵画館前のベンチで待つことにした。ボローニャだから、きっと時間通りに開くだろうさ。

今日はたくさん歩いたので、母はベンチで休ませて、姉と私は、この「美しい幾つかの芸術作品通り」から続いている道を、もう少し先まで歩いてみた。

ボローニャ

絵画館の先も、このようにずーっとポルティコが続いている。このポルティコはBの上くらいのポルティコかな(ランキングはやめなさい)。

そのずーっと先には、サン・ドナート門という城門が見えている。

ボローニャ

ボローニャも昔は、城壁でぐるーっと囲まれていた都市だったそうだ。今ではその城壁は全て幹線道路に変わってしまい、名残りとしての城門だけが残っている。私は城壁のあるヨーロッパの町は大好きなのだが、ボローニャのような、先進的で自由な空気が漂う町には、城壁はもはや似合わないのかもしれない。

さて、我々以外にも、絵画館の開館時間を待つ観光客が、ちらほらと、絵画館周辺に集まりだした。そして、ボローニャらしく、2時きっかりにカチャっと鍵が開く音がして、絵画館は開館した。時間の守れるボローニャばんざいっ!

というわけで、絵画館に入場したのだが、続きは次回の旅行記で☆